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日本人が気づかない「身近な差別」の存在。区別とはどう違う?<小原ブラスの“甘口”人生相談>

コラム

男女で違う制服の快適度が違う

 他にどんな例があるでしょうか。

区別の例:男女で制服が違う、支払った金額によって受けることができるサービスが違う
差別の例:男女で制服の快適度が違う、性別や人種によっての割引きサービス

「差別だ」と言う場合はその不平等性を証明する必要があるし、「区別だ」という場合はその平等性を証明する必要があるのです。

 今回アメリカで問題となっている、警察官に押さえつけられて死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの件については、その1つの事案に対する抗議よりも、黒人の方への過剰な取り締まり、拘束が常習化しているのではないかという点が大きな問題となっています。それが白人と黒人への扱いに差があるのだという主張になっているのです。

自分がしている差別がある

東京の通勤風景

 なかには、黒人のほうが犯罪率が高いのだから(その背景には経済格差があるのですが)、白人と比べて警戒するのは当たり前だ、差があるのには理由があるから、この差別はあっても仕方がないとする反論もあり、意見が衝突しているのが現状です。

 根拠があるように見える差別は「差別」ではなくて「区別」だ、と主張する人もよくいますが、それはその差別に妥当性があるかどうかを考えることを放棄しているにすぎないと思います。

「差別は絶対悪だ」と誰かに言われ続けてきたから、理由もなく「差別は絶対にしない」「絶対にあってはならない」と考えるのは、自分がふとしてしまっている差別を「差別ではない」と目を背けることにつながるのです

 このように差別と区別の違いを考えると世の中には多くの差別があるように思えませんか。

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