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ガストの宅配メニューが強い訳。外出自粛でも「攻めの経営」を分析

ビジネス

 5月6日までとされていた非常事態宣言の延長が発表されました。外出自粛など人々の動きが抑制された状態が続く見通しで、特に外食・宿泊関連では倒産件数が増えています。

すかいらーく

かつて存在したすかいらーく店舗 ©Masaru Kamikura CC BY 2.0

 その一方で、デリバリー・テイクアウト関連の施策で目覚ましい動きを見せているのが、ファミリーレストラン「ガスト」および、運営母体のすかいらーくホールディングス(以下すかいらーくHD)です

新たなフードデリバリーメニューを展開

 すかいらーくグループは「『#おうちファミレス』で食卓から元気に」と銘打って、4月30日から新たなデリバリー用メニューを展開しています。ガストでは「おかず盛り合わせ」などの新メニューが登場。家庭の食事で一品足りないときに頼みやすい、絶妙なメニューです。

 既存のデリバリーメニューも、子供をはじめとした幅広い年代が好むウィンナー・唐揚げ・フライドポテトを盛り込んだ「ガストファミリーセット/ガストミックスセット」など、家庭での食事に気軽に色どりを添える内容でした。

 本連載では「アラートさん」(@blackc_alert)が、身近な企業を題材にして、企業の状況の調べ方・見極め方を解説しています。今回は、この攻めの施策の源泉について、公開情報から追いかけていきたいと思います。

 ガストは「すかいらーくグループ」に属しており、売上高などの情報もすかいらーくHDの決算資料などから集めました。そのため、まず、すかいらーくグループの沿革・体制について簡単に補足します。

沿革:一度上場廃止したものの再上場

 すかいらーくグループは前身の企業が1962年創業、第1号店「すかいらーく」が1970年開店と、ゆうに50年以上の歴史がある企業です。1984年に一度、東証一部に上場を果たすのですが、2006年にMBO(マネジメント・バイ・アウト…経営層が市場などに出ている株を買い戻すこと)を実施し、上場廃止となりました。

 実施当時は「失敗例」と評価されていた すかいらーくHDのMBOですが、その後、粘り強い努力の結果、2014年に東証一部に再上場を果たします。

 2006年以降も、数度の体制の変遷を経て今に至るのですが、この流れについてすかいらーくHDの2017年決算説明資料がわかりやすかったので、引用して簡単にご説明します。

すかいらーく

図1:すかいらーくHDの売上高・営業利益・経営の変遷(2017年決算説明資料p.8より引用)

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