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ガストの宅配メニューが強い訳。外出自粛でも「攻めの経営」を分析

ビジネス

ガストの店舗リモデル、3つの指針

 続いて、ガストの店舗数推移を確認します。店舗数自体は1400店舗前後でほぼ横ばい(やや減少)になっており、「新規店舗を出せばいい」という時期はとうに過ぎたようです。しかし、その代わり「店舗のリモデル」は直近5~6年かけて着実に進行しており、2019年には全店舗のうち6割が改修されました

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図3:ガストの店舗リモデル実施進捗(2014-2018年 決算説明資料より筆者作成)

 このリモデルが直近のガストの売上を支えている主因だと考えられるため、リモデルの詳細について踏み込んでいきましょう。

 リモデルについては、すかいらーくHDでも重要な施策と認識されていて、コーポレートサイトでも項目をとって説明されています。大まかな方針は下記の通りです。

・内装デザインの改善や席数配置の変更
・分煙の強化
・店舗修繕の積極的推進

 この動きは現場レベルでもきちんと浸透しているようで、近所のガストも席数配置がゆったりしたり、お洒落な内装になっていたり、座席が比較的綺麗に保たれていたり(クロスが大きく破れた座席を見かけていない)と、過ごしやすい内装になっていました。

コロナ前からデリバリー・テイクアウトに注力

 そして、店舗拡大以外の成長の道を探るためか、すかいらーくHDは2014年頃からデリバリー・テイクアウトにも注力しています。デリバリー・テイクアウトの売上推移(※業態別のデータではないことに注意)についてもデータがあったので、グラフにして確認しました。

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図4:デリバリー・テイクアウトの売り上げ推移(2014-2019年決算説明資料より筆者作成)

 こちらはデリバリー・テイクアウトともに売上が順調に伸びています。特に著しいのがデリバリー(宅配)のほうです

 現状、外食業界は新型コロナウイルス肺炎対策による外出自粛のあおりを受けており、デリバリー・テイクアウトに対応することで生き残りを図ろうとしています。その中で、数年前から着実にデリバリー・テイクアウトの仕組みの構築を図り、売上を伸ばしてきたすかいらーくHDはこの局面でも強いと考えられます。

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