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ガストの宅配メニューが強い訳。外出自粛でも「攻めの経営」を分析

ビジネス

時機を捉えた新メニューが展開できる訳

すかいらーく

※「すかいらーくグループの宅配」より

 急に立ち上げたものはオペレーションが不安定になるなどの課題を抱えますが、数年前から準備していれば、オペレーションを安定させたまま、拡大対応も可能になるからです。

 事実、すかいらーくHDは店舗のリモデルと並行してデリバリー・テイクアウトへの投資を進めてきました。独自の宅配・テイクアウトサイトがあるほか、出前館をはじめとした各種デリバリーサービスとも連携しています。

 数年かけて築き上げたこの基盤があるからこそ、企業活動が抑制されて動きが取りにくい現在でも「おかず盛り合わせ」のように、時機をとらえたデリバリー新メニュー展開が実現できるのではないでしょうか。

IT活用も本格的に対応している

 また、すかいらーくHDは出前システムのみならず、店舗来店を促進するために近年、ITシステムへの投資も進めていました。2018年12月には「IT本部」も新設し、社として「ITを利用した生産性向上」の方針を明確に打ち出しています。

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・天候・気温連動クーポン
・来店利用履歴・行動履歴活用
・SNS対応やメール対応の自動化
・位置情報(GPS・ビーコン・Wi-Fi)を利用したターゲティング

(2018年度決算説明資料 p.20 より筆者要約)
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 これらの施策について、すかいらーくHDも自社では構築せず、デジタルコンテンツのコンサルティング・マーケティング実施企業であるネットイヤー社の支援を受けて実現しています。

 いずれも、実務経験上、システム構築のみで相応の工数がかかり、構築がうまくできたとしても絶え間ない運用・改善が必要なため、一朝一夕に効果をあげられるものではありません。そのため、独力で行わずに得意な企業と提携して確実に対応するのも経営判断として合理的だと言えるでしょう。

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