ワタミに渡辺美樹氏が12年ぶり社長復帰、主力事業の失速で今後を読み解く | bizSPA!フレッシュ

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ワタミに渡辺美樹氏が12年ぶり社長復帰、主力事業の失速で今後を読み解く

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 元参議院議員の渡辺美樹氏が2021年10月1日付でワタミの社長に復帰しました

 公式発表によると「長期化する新型コロナウィルスの影響を受け、大胆な構造改革を行い強い組織を確立」と説明されています。決定権を集中して、事業単位を越えた大きな意思決定ができる体制を作ることが目的になっているようです。

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※画像は渡邉美樹氏の公式サイトより

 渡辺美樹氏が社長に就任するのは2009年以来12年ぶりとなり、大きな動きと言えるでしょう。本連載「ブラック企業アラート」では、ワタミ株式会社の公開情報から業績をグラフ化し、今回の人事についての狙いも解説します。

業績:2014年以来、右肩下がりが続く

 売上高と利益額の金額規模が異なるので、売上高は右軸・その他は左軸にそろえてグラフを作成しました。2014年3月期に、初めて最終損益が赤字転落しています。また、2014年3月期以降は、連結売上も減少傾向になっています。

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図:ワタミの業績推移(決算短信より筆者作成)

 2013~2019年は渡辺美樹氏が政界に進出していた時期とも重なるため、「経営を離れたことで業績が悪化し、2020年に会長に復帰したタイミングで新型コロナによる影響を受けた」と読み取ることができそうです。

好調だった介護事業は売却済み

 では、どの事業が主に打撃を受けているのでしょうか。ワタミの場合「セグメント別」のデータが比較的細かく取れる状態だったので、セグメント別売上・利益額をグラフ化しました。特に、連結業績が悪化した2014年3月期以降について詳しくみてみましょう。

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図:ワタミのセグメント別売上(決算短信より筆者作成)

 国内外食事業(濃い青色)は2014年3月期以降、右肩下がりの状態でした。宅食事業(オレンジ)は安定的に売上が取れていますが、国内外食事業に替わる柱にはなっていないため、連結売上が大きく下がったものと考えられます

 なお、2014年・2015年3月期に宅食に迫る勢いの売上を上げていた介護事業(グレー)は2015年12月付で損保ジャパン日本興亜ホールディングス株式会社に売却済みとなっています。介護事業売却以降、海外外食(黄色)・環境(水色)・農業(黄緑)といった事業セグメントが介護事業に相当する売上を出せていない状況です。

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