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自律神経を乱す「SNS依存」が病気の原因に。やめるには?

寝る前のスマホは睡眠不足に直結

 ただし、SNSが生活の一部となり、ここから多くの情報を得ている人も多いでしょう。完全にやめてしまうことは、難しいかもしれません。そんな人は、ぜひこのことだけは、守るようにしてください。

 寝る直前にSNSを見ない。これだけです。人間の体は、夕方から副交感神経が優位になり、リラックスモードになっていきます。睡眠の準備が始まっているのです。

 しかし、寝る直前まで、スマホやパソコンでSNSを見ていたらどうなるでしょう。脳が刺激されてしまうので、交感神経が活発化してしまうのです。すると、副交感神経よりも交感神経のほうが高まり、体は疲れているのに眠れない、という状態になってしまいます。眠れたとしても、「眠りが浅い」「夜中に何度も起きる」というトラブルが起きやすくなります。

 質の悪い睡眠を続けていると、自律神経は乱れたままとなり、疲労が蓄積されていきます。副交感神経のレベルが低下し、血流が悪くなるので、身体機能も低下していくのです。

 するとどうなるでしょうか。免疫が低下し、やがて大病に繋がっていきます。慢性的な寝不足状態にある人は、体内のホルモン分泌や自律神経機能が乱れ、糖尿病や心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患といった生活習慣病に罹りやすいことが、医学的にも明らかになっています。

睡眠は長ければいいわけではない

睡眠

 睡眠についてもう少しお話ししましょう。睡眠時間についてですが、長くても短くても体に良くありません。

 イギリスのウォーリック大学とイタリアのナポリ大学による10年間にわたる共同研究(2010)で、世界各国の130万人以上を対象に睡眠時間を調査したところ、1日6時間に満たない人が早死する確率は、6〜8時間の睡眠をとる人に比べて12%も高いという結果が出ました。短い睡眠が、体を蝕んでいたのです。日本人を見てみると、睡眠時間6時間未満の人間が、男性36.1%、女性42.1%も存在しています(厚生労働省「平成29年 国民健康・栄養調査結果の概要」)。

 また同じくウォーリック大学の調査(2014)によると、50〜64歳の人では睡眠時間が6時間以下、または8時間以上の人は、記憶力と意思決定能力が低下することがわかりました。50歳を超えると「寝過ぎ」にも注意が必要なのです。

 厚生労働省は、健康な睡眠時間は加齢とともに減るとしています(「健康づくりのための睡眠指針2014」)。25歳なら7時間、45歳で6.5時間、65歳で6時間。20年ごとに30分ずつ、減少していきます。大雑把に、「6〜7時間寝ればOK」と考えてください。

 良い睡眠を確保するためには、SNSはもってのほか。リラックスできる音楽を聴く。軽くストレッチする。照明を暗くする。こうした心身をリラックスさせる行動を心がけ、逆に仕事やパソコン、スマホなど、体や脳が興奮モードになるようなことを控えれば、きっと睡眠の質は高まるはずです。

<TEXT/小林弘幸>

順天堂大学医学部教授。スポーツ庁参与。1960年、埼玉県生まれ。日本初の便秘外来を開設した”腸のスペシャリスト”。著書に『不摂生でも病気にならない人の習慣』(小学館新書)など

不摂生でも病気にならない人の習慣

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自律神経の名医が、働き盛りのビジネスパーソンから寄せられた32の不摂生な相談に対する「医学的に正しいリカバリー法」を、自身の経験も交えながら解説

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