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新型コロナ、安倍政権の「遅すぎる対応」を海外と比べてみた<ダースレイダー>

コラム

国民の不安を煽る、少なすぎる検査数

ダースレイダー:ハーバード大公衆衛生大学院のマーク・リプシッチ疫学教授は「この1年で世界の人口の4割から7割の人が感染するだろう」と予測していますが、このように、インフルエンザや普通の風邪のような季節的な流行病になっていく可能性もあるようです。

 だからと言って、これで安心だと言うのにも、まだまだデータが少ない状況。感染者数のデータというのは、なるべくたくさんの患者が検査を受ければ受けるほど、正確なものが出てきます。そのため、検査をたくさんしている国ほど正確なデータを収集できています。これは間違いない。

 一方で、日本は検査数が圧倒的に少ない(3月4日時点で8111件。5日時点で韓国は14万775人)。これにはいろいろな理由が言われていて、検出試薬のテストが追いつかない、「37.5℃以上の熱が4日続く」「感染者との濃厚接触歴がある」など、検査の適応に対するハードルが設けられていることなど。つまり、やばいと自覚していても検査を受けられないケースが出てきている。検査の需要が高まっていることから、3月6日から保険診療での検査が可能になりましたが、希望者全員が検査を受けられるわけではありません。

検査自体は簡単なはず「ドライブスルー検査」も

ドライブ 車

ダースレイダー:他国に目を向けると、イギリスやドイツ、韓国がとっている方法が、ドライブスルー検査です。これは、車で行って通り抜けるだけで検査を受けられるというもの。検査の導線を別に作ることで、他の医療が必要な人への影響が減り、感染の不安がある人たちも検査を受けられる。方法自体の新しさが与える心理効果も見逃せません。

 ここまで検査が簡単に受けられるとわかっていて、日本ではできないとなると、人々の不安がより大きくなってしまいます。実際に、「日本少なくない?」みたいな報道をBBCが出している。検査数が少ないせいで、陰謀論とかも同時に出ています。

 データがあって、それに対する見解がこれですっていうのが1個あれば、そこにみんな落ち着きます。しかし、それがないために、その他すべての可能性を考えてしまい、みんなの中で溢れかえっています。これが“インフォデミック(情報のパンデミック)”と言われる社会現象になる要因のひとつです。

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