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新型コロナ、安倍政権の「遅すぎる対応」を海外と比べてみた<ダースレイダー>

コラム

他国に差をつけられた対応の遅さ

安倍首相

※首相官邸ホームページより

ダースレイダー:ここに手を打つのが政治の役目です。ウイルスへの対策は、基本的には医師や感染症に対する専門家などがあたらないと、どうにもならない部分もありますが、政治家は病気が何なのか分からなくても「感染症が発生すると人がどういう行動をするのか?」とか「どこにどんなダメージがいくのか」ってことをケアする、そっちの“治療”をしなければなりません。

 これに対して日本は大変遅かった。要は放っておいたんです。新型コロナの発生に関しては、武漢で2019年12月31日に最初の症例が報告されてから、世界中の国が同時に知ったと言えます。同じスタートを切った中で、今、蓋を開けてみるとかなり差が開いているのが現状。

 まず、台湾が2020年2月下旬、特別法というのを通しました。さらに、台湾は早くからマスクを実名制で販売し「1人につき1週間2枚までしか買えない」というのを政府で決めました。

 さらに言うと、全国の薬局の在庫数をネットに公表して、それに合わせたアプリを開発し、どこでマスクを買えるか、すぐに把握できるようにしました。この施策は未知の病気が起こったときに、人がどういう行動をとるかいうことを見越して考えられています。

震災でも起きた買い占め、対策されず

ダースレイダー:これは今、日本のドラッグストアを見て明らかなように、マスクやトイレットペーパー、ティッシュペーパーなど、どんどんものが無くなっています。この光景には、みんな見覚えがあるはずで、東日本大震災のとき、水や食べ物がスーパーから無くなったのと似ています。似たような経験をしたにも関わらず、そういった対策を何も打っていませんでした。

 WHOは「マスク自体に予防の効果は薄いが、うつった人が周りに拡散しないためのアイテムとして使える」ということを公表しました。何かしらの病気を持っている人はマスクをしたほうがいいけど、そうではない人がマスクを買いだめする必要がどのくらいあるのかという議論があります。実際、医療現場に行き渡らないという状況も報告されています。

 この時期多くの人が苦しんでいる花粉症は、マスクのあるなしでだいぶ違います。必要としている人たちが手に入らないのが今の状況です。これは台湾が打っていた、実名登録販売、アプリで在庫数の表示などで防げたことです。

 同時に転売ヤーとかも出てきて、フリマアプリを開くとマスクやトイレットペーパーがいまだにかなりの高値で取引されています。呆れたことに、静岡の県議がネットで高額販売していたことも報じられています。これも当然起こりうることだと想定し、早期から転売行為に罰金を設けるなど、金儲けをさせない対策を取れば、防げたことです(政府はマスクを取得時の価格より高値で転売する行為を禁じる政令改正を閣議決定、3月15日に施行)。

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