新型コロナで「就活のオンライン化」が進む。早くも内定獲得した学生も
採用企業にも工夫「資料をシンプルに」
学生たちは自らの創意工夫でオンラインでの就活を乗り切っている一方、採用する側の企業はどう思っているのか。
初めてオンラインでの採用活動を行うことになった、株式会社土屋鞄製造所の西島悠蔵さんは、オンライン面接や説明会を実施するにあたり、企業として工夫した点を「オンラインとオフラインの違いを明確にすること」だと語る。
「オンラインは移動に関わるコストをクリアにしてくれる一方でライブ感や熱量は伝わりづらい。だからこそ、説明会では資料をシンプルに、伝わりやすいようなストーリー設計で作り直しました。
小さなところかもしれませんが、熱量が伝わりづらい分、ジェスチャーをオーバーにすることやロジックを整理して伝えるとかは気をつけています。面接は情報量が限られる分、印象で判断がなかなかできない。だからこそそれ以外のところを中心に見極めるようにしています。
オンラインはオンラインの説明会の仕方、面接の仕方があるなと感じるので、可能性が広がっている一方でちゃんとお作法を考えて行わないともったいなくなることもあるなと感じています」
目標は1万人の就活生、企業300社
ガイアックスでは今回の新型コロナウイルス感染拡大による合同説明会の中止などを受けて、緊急の対応も行っている。
「学生向けに自己分析や企業研究、オンライン面接の対策などをアドバイスするオンラインセミナーを開催しています。費用は無料で、参加する予定だった大学内の就活セミナーなどがキャンセルになった学生に多く参加してもらっています。
企業向けには、パソコンやスマホで画面共有することを踏まえた資料作成のコツや、オフラインの面接とは異なる見るべきポイントなど、オンラインでの面接や自社説明会を実施するときのポイントを同じく伝えています」
なかには突然オンラインでの採用活動を余儀なくされた採用担当者の傘下もあるという。オンラインセミナーは3月は10回以上、4月以降も継続的に開催していく予定だ。
「ガイアックスは4年以上前からリモートワークを実践しています。なので、これまで培ったオンラインコミュニケーションスキルを還元していきたいです。オンライン就活は2020年末までに300社の導入、1万人の就活生に利用されることを目指しています」
<取材・文/詠シルバー祐真>