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JR四国、観光列車「志国土佐」が登場。高知県内を走る

暮らし

土佐の食材をふんだんに使った料理

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〈伊予灘ものがたり〉と特急〈四国まんなか千年ものがたり〉も松岡室長が手掛けた(提供:四国旅客鉄道)

“ものがたり列車”の楽しみのひとつとして、その列車でしか味わえない食事をあげておきたい。きっぷ(乗車券、グリーン券)とは別に「食事予約券」(乗車1か月前から4日前まで発売)が必要だ。

 特急〈志国土佐 時代の夜明けのものがたり〉の下り窪川行き「立志の抄」は「土佐の食材を使った創作洋風料理~皿鉢(さわち)風~」、上り高知行き「開花の抄」は「高知家満喫“土佐流のおもてなし”コース」で、いずれも5000円(税込)で提供される。

 ダイヤ、料金などの詳細はJR四国公式サイト「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」を御参照いただきたい。なお、JR四国は“ものがたり列車”に乗車する際、事前に購入した食事、酒類の持ち込みを御遠慮いただいているので、御注意を。

キハ185系と2000系の現状

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2000系の登場により、大幅なスピードアップを実現

 キハ185系は国鉄末期の1986年に登場。JRグループ初期の1988年まで52両が投入され、“JR四国のエース”に君臨した。しかし、1989年に世界初の振子気動車2000系が登場。翌1990年に量産車が投入されるとバイプレーヤーという役割に変わったほか、20両がJR九州に移籍した。

 2000系はJR四国所属車74両、土佐くろしお鉄道所属車4両の計78両を投入し、予讃線、土讃線、高徳線の特急に充当される。しかし、老朽化により、JR四国は8600系、2600系、2700系を導入。これに伴い2000系は約50両の廃車を予定しているという。また、半井社長によると、ジョイフルトレイン化改造の予定もない。

「2000系はかなり走っているものですから、(振子)台車自体がだいぶきていますので。それに比べて、(キハ)185系というのは、早く2000系が入ってきた関係で、あまり走っていないんですね。そういう意味で改造しやすいんです」(半井社長談)

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JR九州が展開するD(デザイン)&(アンド)S(ストーリー)列車のひとつ、キハ185系改造の特急〈A列車で行こう〉(提供:九州旅客鉄道)

 一方、キハ185系のJR九州所属車はすべて健在。JR四国所属車はキロハ186形(中間車)1両が廃車されたものの、特急用24両(ジョイフルトレインも含む)、一般車改造7両、計31両の活躍が続いている。

 車両課に34年間第一線で活躍できる秘訣をきいたところ、国鉄が設計した車両なので、「頑丈なつくり」になっていることが大きいそうだ。そして、腐食に強いステンレス車体、1日の走行距離が2000系より短いことも幸いしている。ディーゼルエンジンについては、修繕しながらオリジナルを使い続けているという(JR九州所属車は換装済み)。

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JR四国のイメージキャラクター、「すまいるえきちゃん」と「れっちゃくん」も松岡室長が手掛けた

 半井社長によると、今後もキハ185系を“ものがたり列車”の種車として捻出することが可能だという。あとで車両課に確認したら、特急用は8両の予備車があり、「やるんであれば、アイランド(ジョイフルトレイン『アイランドエクスプレス四国Ⅱ』)というクルマが3両で走っていますので、それを(改造)するぐらいかなと」と可能性について言及した。

 なお、『アイランドエクスプレス四国Ⅱ』は、2020年度も引き続き運用されるので、現時点“ものがたり列車”転身の予定はない。JR四国キハ185系の詳細については、拙著『波瀾万丈の車両』(アルファベータブックス刊、2018年発売)を御笑覧いただければ幸いである。

おすすめ、アンパンマン列車

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2000系や8000系(写真)の一部列車は、指定席アンパンマンシートを用意

 JR四国の旅でおすすめしたいのは、『アンパンマン列車』だ。当時、JR四国の社長を務めていた梅原利之顧問の発案で、2000年10月14日(土曜日・鉄道の日)から2000系で運行を開始。のちに8000系やキハ185系ゆうゆうアンパンマンカーなどにも拡大された。今やアンパンマンは“JR四国の顔”といってもよい。

 2020年夏期には、2700系アンパンマン列車がデビューし、2000系アンパンマン列車を置き換える予定である。

【取材協力:四国旅客鉄道、九州旅客鉄道】

<取材・文・撮影/岸田法眼>

レイルウェイ・ライター。「Yahoo! セカンドライフ」の選抜サポーターに抜擢され、2007年にライターデビュー。以降、ムック『鉄道のテクノロジー』(三栄書房)『鉄道ファン』(交友社)や、ウェブサイト「WEBRONZA」(朝日新聞社)などに執筆。また、好角家の側面を持つ。著書に『波瀾万丈の車両』『東武鉄道大追跡』(アルファベータブックス刊)がある

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