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JR四国、観光列車「志国土佐」が登場。高知県内を走る

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 2016年6月、JR四国の半井真司社長(徳島県三好市出身)が現職に就任すると、ものがたり列車第3弾(ジョイフルトレイン)の導入を示唆した。

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波瀾万丈の車両、キハ185系に再び新たな息吹が吹き込まれた

 それから4年、半井社長らの想いが結集した特急〈志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり〉が2020年2月に完成し、4月18日(土)から土讃線高知―窪川間でデビューする予定だ。

トロッコ列車から特急にシフト

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トロッコ列車〈志国高知 幕末維新号〉(提供:四国旅客鉄道)

 JR四国はトロッコ列車〈志国高知 幕末維新号〉を2017年9月23日(土・勤労感謝の日)から土讃線高知―窪川間で運転され、好評を博していた。半井社長によると、トロッコ車両の構造上、冬期の運転に対応できないため、沿線から通年運転の要望が出されていたという。

 それに応えるべく2018年から、ものがたり列車第3弾の構想に入り、特急〈志国土佐 時代の夜明けのものがたり〉の導入を決定した。これにより、トロッコ列車〈志国高知 幕末維新号〉は2019年11月30日(土)で役目を終えた。その後、まさかの“脱藩”により、2020年1月28日(火)から2月28日(金)まで、京都鉄道博物館に展示された。

 さて、「志国」という言葉についてJR四国に問い合わせたところ、2017年3月4日(土)から2019年1月31日(木)まで、高知県25会場で実施された「志国高知 幕末維新博」にちなむ。

 JR四国はその言葉に「多くの志士を生んだ土佐の風土を表した、わかりやすいワードだと思い、観光列車(ジョイフルトレイン)のデザインコンセプトもこの言葉のイメージを引用している」という。

車両番号に遊び心あり

 特急〈志国土佐 時代の夜明けのものがたり〉は、キハ185系2両を改造。この車両を手掛けた鉄道事業本部 お客様サービス推進室の松岡哲也デザインプロジェクト担当室長(愛媛県松山市出身)によると、工費は1.5億円だという。

 エクステリアは妻面を除き、フルラッピングを施した。

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カラーリングは対照的ながら、アクセントカラーはともにゴールドを用いた

 1号車Kurofuneは蒸気船をイメージし、ブラウンとブラックをベースに用いた。一方、2号車Sorafuneは宇宙船をイメージしたホワイトベースと対照的。車体側面にはロケットエンジンが描かれている。

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高知県が誇る国民栄誉賞級の偉人、坂本龍馬

 車端部とその周囲は夜明けを表すブルー系のカラーを用い、1号車Kurofuneは坂本龍馬、2号車Sorafuneは地球と月を添えている。また、第1弾の〈伊予灘ものがたり〉、第2弾の特急〈四国まんなか千年ものがたり〉と同様に、2ドア車から1ドア車化された。

 貫通扉に設置されていたヘッドマークの部分は灯りに変わり、1号車はボイラーの炎の色、2号車はロケットバーナーの色をイメージしている。

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JR四国や高知県にとっても、「新しい時代の夜明け」となるだろう

 シンボルマークは、坂本家の家紋、太陽、時計をモチーフにしたもので、「新しい時代の夜明け」を表している。

 注目は車両番号。1号車Kurofuneはキロ185-1867(改造前キハ185-1015)、2号車Sorafuneはキロ185-1868(改造前キハ185-25)である。慣例なら1801、1802となるところだが、この意味について松岡室長にお伺いしたところ、「1868」は大政奉還、「1869」は明治維新の年にちなんだという。

 鉄道にくわしくない方に今回の車両記号などを御紹介すると、「キ」は気動車(ディーゼルカー)、「ロ」はグリーン車、「ハ」は普通車、185の十の位「8」は特急形の車両を表す(国鉄分割民営化後は定義が崩れた)。

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