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検索キーワードから振り返る2019年。芸能界の結婚、大型M&A…

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人の噂は30日?単月突出キーワードに見る世間

 人の噂も七十五日といいますが、世間を騒がせたニュースに対するユーザーの関心は続くのでしょうか。短期間で使われなくなった上位検索キーワードから、注目されたものの関心が持続しなかったと思われるトピックを探ってみます。

 トップはここでも6月の「蒼井優」。なぜか14位「蒼井優離婚」も同じく6月に突出しました。11月に壇蜜さんと入籍した10位「清野とおる」、8月小泉進次郎環境相と入籍した20位「滝川クリステル」と、有名人同士の結婚は注目度が高いようです。

 11月は34歳で急逝した俳優4位「滝口幸広」も検索されました。芸能ネタは反響が大きいけれど忘れられるのも早いといえそうです。

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図表:2019年1-11月の間、1ヶ月間だけ検索ユーザーが突出したキーワード
オレンジは著名人関連、黄色はネット上のできごと、ブルーは社会、緑は事件・犯罪関連

 7月の京アニ放火事件の6位「青葉真司」、8月に常磐自動車道でおきた「あおり運転暴行」事件の7位「宮崎文夫」、登戸通り魔事件で被害にあった15位「カリタス小学校」も、短期的に注目を集めたキーワードです。社会を凍りつかせるショッキングな事件でしたが、容疑者の名前などは意外にも1か月で検索されなくなっていました。

メルパルク仙台、破産者マップ…覚えてる?

 ネット上のできごとも、比較的過ぎるのが早いようです。3月15日に官報オープンデータからGoogleマップ上に破産者リストを公開した2位「破産者マップ」は是非が話題になりましたが、1週間足らずで閉鎖されたためか検索は続きませんでした。

 挙式夫婦の投稿で炎上した7月「メルパルク仙台」は「ケーキが全員に行き渡らなかった」「引き出物の中に原価が記載された発注書が入っていた」などの実態が明らかになりテレビ番組にまでとりあげられましたが、ホテル側の謝罪が奏功したのか、ネット上の話題は、同じく1か月で収束しています。

 8位の4月「令」は令和の「令」でしょう。「令」の字を含む名前のひとを対象にしたキャンペーンが多かった影響と見られますが、5月の改元とともに使われなくなりました。5月の13位「オリンピックチケット予約」、6月は5位「オリンピックチケット発表」は、2020を控えた一大イベントでした。

 2018年より25日も遅かった19位「梅雨明け」は7月に多く検索されました。7月の9位「参議院選挙」、11月「ブラックフライデー」、1月「インフルエンザ潜伏期間」は同様の季節もののキーワードながら、選挙への関心が短期間しか持続していないのはちょっと残念な気もします。

 11月のキーワードに関してはまだ単発かどうかわかりませんが、10月までのトピックに関しては「一過性の注目」だったといえるでしょう。1年中検索に使われる「ヤフー」「じゃらん」「アマゾン」などと比べると、芸能ニュースや事件は忘れられるのも早いようです。

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 芸能ネタもショッキングな事件や異常気象も多様なトピックと注目キーワードが駆け抜けた2019年でしたが、読者のみなさんは何に関心をもち、どんな検索キーワードを使ったでしょうか。

 この連載で婚活アプリや芸能ニュースなどを検索しまくっていた筆者に表示されるウェブ広告は当然、検索ワードに基づいているのであろうそのあたりのジャンルで埋まりがちです。

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図表:ブラウザの「履歴」から過去の検索や閲覧履歴を確認・削除(Chromeの例)

 スマホやPCのブラウザから履歴を確認して振り返ったり、キーワードによっては削除しておいたりするのも、新年へ向けた有意義な休暇の過ごし方かもしれません(自戒を込めて)。

<TEXT/清水響子>

法政大学院イノベーション・マネジメント専攻MBA、WACA上級ウェブ解析士。CRMソフトのマーケティングや公共機関向けコンサルタント等を経て、現在は「データ流通市場の歩き方」やオープンデータ関連の活動を通じデータ流通の基盤整備、活性化を目指している

【調査・分析データについて】
ネット行動分析サービスを提供する株式会社ヴァリューズが提供する、ネット行動ログとユーザー属性情報を用いたマーケティング分析サービス「VALUES eMark+」を使用しました。データはヴァリューズ保有のAndroidスマートフォンモニター(20代以上)での出現率を基に、国内ネット人口に換算して推測しています。

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