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仕事は「お金で選ぶべき」と断言できるシンプルな理由

学び

「お金で選ぶ」を具体的に考えてみよう

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 さて、この「お金で選ぶ」をもう少し解像度を上げて考えてみましょう。

 お金といってもいろんなデータがあります。初任給、平均年収、管理職の年収、トップの年収……いろいろありますよね。

 ぼくは、重視すべきは「一定以上の年収がある人の割合」および「30~35歳に限定したときの平均年収」だと考えています。

 シンプルに確率の話です。いかに平均年収が高くても、ほんの一部の人だけが高年収で他の人はそうではない企業の場合、確率論的にはあなたも後者になってしまう可能性が高いです。

 たとえばですが、直近のゴールとして30~35歳で年収1000万円を超えたい! とあなたが考えているとしましょう。だったら、シンプルにそこをベースに考えていけばいいですよね。ネットでデータがなかったとしても、その会社のOB・OGに連絡を取ればかなり正確度の高い情報が取れます。

業界を絞る「シンプルな思考プロセス」

Little businessman walking across bridge

 で、これでリストに上がってくるのは下記のような業界です。

・金融
・大手IT
・総合商社
・マスメディア
・大手コンサルティング
・一部の優良スタートアップ

 ぼくは、金融やマスメディアは「あまり興味がない」という理由で除外しました。そうなると、総合商社・大手IT・コンサルティング・スタートアップが候補となってきますが、スタートアップに新卒で入るというのは結構リスキーです。

 また、スタートアップで高給をもらっている人は、だいたいが創業者もしくは中途でプロファームや大手企業から入った人です。そういう意味でスタートアップは除外。

 総合商社も良さそうなのですが、OBの方に会って受けた感じや、年功序列感がどうしてもあわなそうで除外。そうなると、ITやコンサルティングで、人ややっていることに興味が持てるところがいいな……という形でどんどん企業を絞っていきました。

 今から考えても、ぼくにとってはこの思考プロセスは正しかったように思います。身も蓋もないと思われるかもしれませんが、多くの若者はこのようなシンプルな思考プロセスで会社を選んだほうがいいのではないかと思います。

 もちろん、もっともっと深く自分自身と向き合うことも大事なのですが、仕事の選び方がはっきりしていない場合はまず「お金」を意識する。そうすることで、お金以外のところも満足いく環境が手に入る。

 ぼくはそう思っています。

連載・現役コンサルタントのシンプル仕事術

<TEXT/Shin>

某外資系コンサルティングファームで戦略コンサルタントとして勤務したのち、現在は某外資系企業で業務改善や戦略策定等の業務に従事。ビジネス書作家。ブログ「Outward Matrix」、オンラインコミュニティ「Players」を運営。無料メールマガジンも好評配信中

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