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非電化区間にも進出「JR九州」蓄電池電車・DENCHAの乗り心地は?

JR九州

BEC819系DENCHAは、福岡県内で運用されている

 JR九州では、2016年から非電化区間を主回路蓄電池の力で走る電車、BEC819系が「DENCHA」(「DUAL ENERGY CHARGE TRAIN」の略)の車両愛称を引っ提げて投入し、筑豊本線の若松エリアと香椎線の気動車を置き換えた。

 ドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治氏が手掛けた車両に乗って、非電化区間の電車道を楽しんでみよう。

BEC819系に乗車する前に

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JR東日本EV-E301系ACCUM

 21世紀に入るまで、電車を走らせるには「車両の上に架線を張る」、もしくは「線路脇に第3軌条を敷設する」の2点に限られていたが、21世紀に入るとJR東日本が非電化区間を自力走行できる架線式蓄電池電車の開発を進め、2014年にEV-E301系ACCUMがデビューした。

 東北本線の直流電化区間はパンダグラフを上げて走行し、非電化の烏山線は下ろし、主回路蓄電池の力で走行する。そして、終点の烏山線烏山で再びパングラフを上げ、急速充電する。

 JR九州も2012年度から交流電化向けの架線式蓄電池電車の開発を進め、BEC819系として実用化。まずは筑豊本線の起点、若松からルポを始めるとしよう。

デジタル方向幕がデカいのに線名表示が控えめ

 久しぶりに若松駅に入ると、JR東日本に倣い、充電用架線が建設されたかと思いきや、なし。非電化の若松―折尾間の距離は10.9キロ(往復21.8キロ)なので、JR九州は“主回路蓄電池がガス欠しない”と確信しているのだろう。

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電車の動力源として使う大容量の主回路蓄電池は、クハBEC818形に搭載

 11時46分、1番のりばに普通列車直方行きワンマン電車が入線。前面は817系2000番代に準拠しつつ、ブラックフェイスをより強調したデザインに変わり、精悍さが増した印象を持つ。

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 アルミ車体は塗装され、“とにかく明るいホワイト”を基調に、地球をイメージした青をアクセントカラーとして用いている。特に非電化区間の動力源となる主回路蓄電池の青はひときわ目立つ。非電化区間では空調や照明にもあてられているほか、運転士がブレーキをかけると、そのエネルギーを主回路蓄電池に充電する。

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側面のデジタル方向幕は、クモハBEC819形のみ設置

 デジタル方向幕はJR九州一般車両の標準と化した“デカデカLED”で、視認性を向上。BEC819系の前面は行先と線名の交互表示である。

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線名表示はいささか控えめ

 この列車は全区間筑豊本線を走行するものの、「筑豊本線」を表示しない。若松―折尾間は若松線、折尾―桂川間は福北ゆたか線、桂川(けいせん)―原田(はるだ)間は原田線の路線愛称で案内されているためで、若松発直方行きは福北ゆたか線、直方発若松行きは若松線を表示する。ただ、行先に比べ、文字がいささか小さく、もっと大きくしていいのではないかと思う。