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孤高のカルト芸人・永野が語る、デビュー前夜「あこがれの存在だったのは…」

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「奇をてらってすげぇ個性的」な芸人

永野

――10月に放送の『お笑い向上委員会』で、ザブングル加藤さんに代わる新魔王として登場。テレビの世界では、予定調和を壊すキャラクターとして起用されることが多いように感じます。

永野:CS放送の番組では、意外と普通にMCやってたりするんですけど、たぶん地上波では求められてないでしょうね。最初にテレビでやりすぎちゃったから、番組から呼ばれるのは“劇薬”みたいな役ばっかりだし(苦笑)。

 ただ、実際のところ、僕自身が視聴者に寄り添う芸人よりも“やばいヤツ”が好きだったから、そっちのほうがやってて楽しいんですよ。これで飯が食えなかったら、嫌かもしれないですけどね。

――11月末には原作・脚本を担当した映画『MANRIKI』の公開も控えていて、お笑い芸人以外のマルチな活動が目立っています。現在抱いている、今後のヴィジョンがあれば伺えますか?

永野:さっき言ったことと重なりますけど、今って大衆に寄り添う芸人が支持されるじゃないですか。そんななかで、僕は奇をてらってすげぇ個性的にいこうって思いますね(笑)。たぶん、すごい後ろ指さされるでしょうけど。

 あとは今後、スキルが身につけば映画監督にも興味があります。最初は低予算でいいから、すげぇ変な映画撮りたいですね。いわゆるエンターテイメント映画じゃなくて、落ちこぼれが真っ当な人たちに石を投げるみたいな個人的なもの。

 今回の映画にも、そのエッセンスが入ってると思うので、ぜひ面白がって見にきて欲しいと思います!

<取材・文/鈴木旭 撮影/山田耕司>

【永野】
1974年、宮崎県生まれ。1995年、ピン芸人としてデビュー。『ももクロChan』(テレビ朝日)『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ)などに出演。映画『MANRIKI』は11月29日シネマート新宿ほか全国順次公開

フリーランスの編集/ライター。元バンドマン、放送作家くずれ。エンタメ全般が好き。特にお笑い芸人をリスペクトしている。個人サイト「不滅のライティング・ブルース」更新中

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