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東大中退ラッパーが体験した「救急患者 2時間たらい回し」の実態

コラム

 東京大学中退という異色な経歴を持ちながら、明晰な頭脳を生かしマルチに活躍するラッパー・ダースレイダー(42)。

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 この連載では、2010年に脳梗塞で左眼の視力を失い、一度は余命5年を宣告された彼が、現代日本で起きている政治や社会の問題に斬り込む。

 8月初旬に体調不良のため緊急搬送され、集中治療室に入院していたダースレイダー。今回のテーマは「救急患者のたらいまわし問題」だ。

コールから、たった5分で到着した救急車

――まずは今回、救急搬送に至った経緯を教えてください。

ダースレイダー:8月4日(日)に救急車を呼んだんですけど、その1か月ぐらい気持ち悪い状態が続いていて、2、3日前からはモノがまったく食べられなくなって、ずっと吐いちゃうような状態でした。

 スポーツドリンクとウィダーインゼリーでごまかしていたんですが、その日はウイダーインゼリーも吐いちゃって。体力的にベッドからも降りられないし、階段も登れず……。妻に頼んで救急車を呼んでもらいました。

 その日は妻が長女と空手の練習に行っていて、夕方5時くらいに帰ってきたんですが、 「もうダメだ」ってなって救急車に電話してくれって頼みました。救急車自体は呼んでから5分くらいでうちの前まで来てくれて、すぐに乗り込んで救急隊員に症状を説明しました。

「気持ち悪くて体力がないから動けない」「全部吐いちゃう」「もともと脳梗塞で倒れたことがあって、こういった治療を受けています」とか、割と的確にアンケート形式で答えていきました。

“たらい回し”でメンタル的に苦痛だった

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ダースレイダー:応急処置としては身体の元気がないからとりあえず点滴だけ繋いでもらって、救急車が出発前に「これから受け入れ先を探します」ということで電話を掛けていくんですけど、僕の家が杉並区なので、まずは杉並区内の救急病院を片っ端から電話していくと。

 まず1件目。救急隊員が電話を掛けて、病院の窓口の人に僕の症状を説明してくれるのですが、しばらく電話口で待っていると残念そうな顔、声で、「あー、そうですか、分かりました」と言って電話を切る。「あ、入れねぇんだ」みたいな。こっちは救急なので。とにかく“救いを急いで求めている”のが救急なわけで……。

 来てくれて安心したし、点滴とかを繋いで横になっているから、家でただ横になって寝ているよりは気持ち的にラクになったけど、症状はまったくおさまる気配はなくて。結局杉並区にある救急対応病院、5か所すべてに断られました。

 まあ救急車ってそんな広くないから、毎回毎回、僕の横で隊員の方が電話してくれていて。で、僕は気持ち悪くて吐いていて、ビニール袋握った状態で寝ている状態。僕の症状を説明して断られるってのが、“落とされている”みたいな気持ちになるから、すごくメンタル的に苦痛でした。