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オリンピック輸送を2度も行った「日比谷線第1世代」の意外な今

コラム

日比谷線車両、活躍の舞台は関東から信州へ

日比谷線

長野電鉄移籍車両は、1993年4月6日に営業運転を開始

 3000系は廃車後、台車やブレーキ装置などは富山地方鉄道や日立電鉄(2005年に廃止)に譲渡され、別の譲渡車両の機器に使われていた。そして、1992年度から1994年度にかけて長野電鉄に譲渡され、改造の末、2両車は3500系、3両車は3600系として営業運転を開始。各駅停車の主力車両になり、大半の車両を置き換えた。

 特に1998年2月7~22日に開催された長野オリンピックでは、34年ぶり2度目となるアクセス輸送の任に着く。日本の鉄道車両で2度もオリンピックのアクセス輸送に活躍したのは、この車両のみ。

 ボディーは同じでも保有する鉄道事業者が異なるとはいえ、「偉業」「金字塔を打ち立てた」と言ってもよい。2024年以降、日本でオリンピックが開催されたとしても、2度もアクセス輸送の任に着く鉄道車両は現れないだろう。

2020年東京五輪でも走り続けることに期待

日比谷線

長野電鉄の各駅停車用車両では初の冷房車

 21世紀に入ると、一部の編成を対象に冷房化改造され、快適性が向上した。長野電鉄は運転本数が少なく、車両の放熱量が増加しても「地下トンネル内の環境に影響がない」と判断したのだろう。

日比谷線

現在の長野電鉄各駅停車の主力車両、8500系

 2005年に入ると東急8500系を譲受し、長野電鉄8500系として9月1日から営業運転を開始。3500系、3600系は、老朽化や屋代線廃止の影響で廃車が進んだ。

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3600系の車内

 長野線信州中野―湯田中間の各駅停車は8500系が入線できないため、3500系、3600系は現在も老体にムチを打ちながら、信州路を駆けめぐっている。2018年8月に偶然乗る機会があり、昭和の薫りが漂うなつかしさ、冷房の心地よさもあり、居心地はよい。

『ビジュアルガイド 首都圏の地下鉄最新版』(イカロス出版刊)によると、2017年に車両の更新計画が報道されたという。しかし、現在も新しい車両がお目見えしていない。

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乗るなら、まさに”今”といえよう

 ひょっとすると、2020年の東京オリンピック開催時も3500系、3600系は、現役車両として走り続けるのではないだろうか。

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