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『べしゃり暮らし』演出の劇団ひとり、不遇を乗り越えた独自のスタイル

暮らし

 7月からスタートした青春漫画の巨匠・森田まさのりさん原作のドラマ『べしゃり暮らし』(テレビ朝日系)。その漫才シーンが圧巻だと話題を呼んでいます。

べしゃり暮らし

※『べしゃり暮らし』公式サイトより

 初回では、主演・間宮祥太朗さんと渡辺大知さんが、3分間に渡る漫才を披露。第2話では、渡辺さんの元相方として、大阪出身の小芝風花さんが見事にツッコミ役を演じました。

 同ドラマの演出は、お笑い芸人・劇団ひとりさん(42)。現在、小説家・脚本家・映画監督など、幅広く活躍していますが、どのようにして今のスタイルを確立したのでしょうか?

高校時代、バラエティ番組に同級生と出演

 千葉市内の中学校を卒業後、県立の工業高校に入学。しかし、1年弱で中退し、定時制の高校に入り直して卒業。トータル5年間の高校生活を送っています。

 1992年、高校1年のときに『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の「お笑い甲子園」に「バーテックス」というコンビで出演。これをきっかけとして、現在の事務所に入ることになります。その後、別の相方とコンビを結成するも解散。ピン芸人としての道を歩みはじめます。

 漫才では、本人もあこがれの芸人と公言している、ビートたけしさんの影響も垣間見られましたが、1人になってからは「踊っていないと死んでしまうホスト」のネタなど、独自の芸風にシフト。ライブシーンで注目を浴びます。しかしこの頃、露出は深夜番組に限られていました。

下積み時代に培った演技力とネタの切り口

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『ボキャブラ天国』(フジテレビ系)のブームが落ち着きを見せた2000年代初頭。新たに訪れたのは、シュールなネタを武器とするコンビの台頭でした。その代表的な芸人コンビが、ラーメンズ・やるせなす・バカリズム。ネタ番組には劇団ひとりさんも出演していましたが、当時のテレビが求めるスターは“コンビ”という雰囲気がありました。

 しかし、劇団ひとりさんは、この下積み時代に着実に実力を培っていきます。泣き芸、ドMの男、北京出身の教師・北八先生、茨城のヤンキーをイメージした架空のキャラクター・山岡春樹のネタなどが評判となります。

 2004年には、当時まだアイドルグループ「モーニング娘。」に在籍していた矢口真里さんとの深夜バラエティ番組『やぐちひとり』(テレビ朝日系・09年終了)がスタート。劇団ひとりさんは、山岡春樹のキャラクターのまま出演していました。このあたりから、徐々に知名度が上昇していくことになります。

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