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マンション購入時の注意点5つ。特に結婚を考えている人は要チェック

暮らし

その③「夫の単独ローンで買うべし」

 共働き夫婦の場合、2人の収入を合算して購入可能な範囲内で、最大豪華な物件をほしがる人もいる。しかし、その背伸びが将来、重荷になる可能性をちゃんと考えておくべきだ。

 マンション購入後、出産などの理由でお嫁さんが働けなくなる可能性もある。いわゆる「嫁の退職リスク」だが、そこで「家計を支えるため」「ローンを返すため」「生活水準を維持するため」という切羽詰まった状態で、夫が無理矢理に働こうとすると、お互いに大きな精神的負荷がかかり、夫婦間に軋轢が生まれることがある。

 こんな話はできればしたくないが、離婚のリスクもある。日本では3組に1組が離婚するというのは無視できない比率だ。こういうことは自分の人生に十分あり得ることなのに、あり得ないと考えて行動する人が多い。

 そんなとき、共同名義にしておくと離婚時、財産分与の難易度が上がる。せっかく買ったマンションを売却して持ち分に応じて分配するのか、あるいは一方が、もう一方の持ち分を買い取るのか。もしマンションの価格よりローン残債のほうが多い「残債割れ」を起こしていたらどうなるのか……と、なにかとめんどくさい。

 結婚したら子供がほしいと思っても、子宝に恵まれないカップルも少なくない。子供を望まないカップルには関係ないが、厚生労働省の調査によると、日本では子供のいない夫婦の3.5組に1組(全体で5.5組に1組)が、不妊の検査または治療を受けているという。不妊治療の費用は、夫婦にとって予定外の出費になる。

 子供にまつわるイベントは、マンションを買う時点では想定していなかったものが多いが、不妊の問題も無視できない。予算面で背伸びしたマンション購入をせず、夫の単独名義で、買える範囲内で購入することが将来のリスク回避につながる。

その④「地域ナンバー1物件を買うべし」

不動産

 新婚カップルに限らず、マンション購入では、売るときのことも考えて、流通価格が下がりにくい地域ナンバー1物件を選ぶのが鉄則だ。

 地域ナンバー1物件であれば、新築か中古かにこだわる必要はない。流通価格が下がりにくい物件の条件は、なにより駅近の物件ということ。理想的には駅から3分以内を選ぼう。駅直結の物件を選べるなら、条件としては最高だろう。

 もちろん、駅前に風俗街が広がる場所や、治安が悪い地域は避けるべきだろう。でも、街のイメージにかかわらず、駅近であれば流通価格が下がりにくい、というのは多くの物件に当てはまる。

 それに加えておおむね総戸数300~500戸を超えるような大規模物件であることも、流通価格が下がりにくい条件だ。大規模物件は中庭や公開空地が整備されていて緑豊かだったり、共用施設のバリエーションが多く、立派で豪華だったりする。また大規模メリットにより、専有部分の設備仕様クオリティが高くなる。管理組合も修繕計画で、多くの資金を効果的に投下できるので、コストパフォーマンスが良い。特に新築で購入するなら、大規模物件で値付けを間違えて割安で放置されている住戸を探して欲しい。

 もちろんタワーマンションでもいい。タワマンの場合、修繕費が割高になるのは事実だが、その分、ランドマーク性という付加価値があるので、価格維持性に優れている。駅前の大規模再開発で販売される物件は、ほとんどのケースで割高に感じられるが、多くの人は再開発が終わった後のきれいに整備された街並みをイメージできず、後から見れば割安だったということが少なくない。再開発物件は大いに検討に値する。

 ここに挙げた条件をすべて満たす物件があるとすれば、それは地域ナンバー1だと言えるだろう。だが、厳密にすべてを満たす必要はなく、駅近、大規模、ランドマーク性、再開発のうち、多くの条件を満たした物件で、割安な住戸が販売されているなら、購入の検討に値する。

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