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結婚式のスピーチで頭が真っ白に。どうやってピンチを切り抜けた?

何も思い浮かばない…アドリブでネタを披露

結婚式

 そんなとき、ある記憶が工藤さんの頭の中によみがえります。それは、高校、大学時代によくネタにした坂井さんの方向音痴というネタでした。

「高校時代の修学旅行で、あらかじめ回るコースを決めていたにも関わらず、坂井は班長だったのに道に迷ってしまい、班メンバー全員でタクシーで集合場所に向かったことがあったんです。大学時代にも、カラオケ店を出て駐車場に向かっているはずなのに、反対方向に歩いて、そのままどこか行ってしまったことがありました。と、当初の予定にはまったくなかったのですが、思いつきでこの話を披露しました」

 すると、会場からくすくすと失笑が漏れ、工藤さんは落ち着きを取り戻します。そのまま、「坂井、家庭のあるべき方向は奥さんに決めてもらって、いい家庭を築いてくれ!」と、アドリブの言葉で締めくくったそうです。

「カンペを用意しなかったばっかりに、うろたえて、早口でしゃべってしまいました。が、隣の席の友達に『にこやかなスピーチだったよ』と褒められて、嬉しくなってビールを一気飲みしました」

 初めてのスピーチでしたが、なんとか切り抜けた工藤さんには、軽い疲労と達成感が体中にゆっくりと広がっていったそうです。ずっと仲の良い2人だったからこそ、無事に難局を切り抜けられたのかもしれませんね。

結婚式はツラいよ

<TEXT/夏目かをる イラスト/小池祐子(@ikeko322)>

コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。『週刊朝日』『日刊ゲンダイ』「DANRO」「現代ビジネス」などで執筆。Twitterは@kaworummoonrive

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