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転職で「消したい過去」は変えられる?スルガ銀行職員にも可能性はある

学び

ストーリーを先に考えて、事実を積むよう行動する

 これは私自身の例でしたが、「やっちまった過去がある」と指摘される人には、転職をしようとした際に、不安や焦りや世の理不尽を感じながら書類を書いたり、面接に臨んでいたりする人が多いと思います。

 若気の至りや一時の感情で就職したものの、短期間で辞めてしまった人などです。もしくは華やかな仕事ができると思っていたものの、不本意な仕事に割り当てられて早期に辞めてしまったなどもそうです。

 業務命令で法律的にグレーなことをしていたとか、在籍中に会社や業界に不祥事などがあってネガティブなニュースとして取り上げられてしまったような状況だとなおさらでしょう。見る人が見れば「そんな怪しいことに加担していたんですか?」となってしまいます。

 そうした状況においても、何か自分で腹落ちして説明できる事実なり、結果があれば、それを軸にストーリーを転職活動で話すことで、状況は開けます。

スルガ銀行職員にも言い分はあったはず

スルガ銀行

スルガ銀行東京支店 photo by Lombroso

 むしろ在職中であれば、現在の状況に望みを持てなくなった時点で先にストーリーを考えて、それに沿った事実を積んでいけるように目の前の仕事に取り組んでいったほうが良いでしょう。ツラかったり、理不尽であったりした状況にあったらば、どうやってそこを打開したのかということもストーリーに含められます。

 反省すべきことがあったとするならば、論理的に反省と再発させないことを説明すればいいでしょう。

 例えば今、スルガ銀行がルールを無視した融資をし、話題になりました。大量の行員も職場を追われましたが、当人たちにしてみれば言い分はあったのでしょう。

 まともな金融機関にはまず受け入れられないとはしても、異業種でエネルギーのある営業職を求めているような会社であれば、説明の仕方によっては受け入れる機会は十分にあると思います。

 逆に、そうしたストーリーが考え付かなかったり、考え付いていてもそれを裏付ける事実がなかったりする状況では、むやみに転職することは避けたほうが良いでしょう。そうしなければ、仮に何かのツテで良い転職先を紹介されたとしても、そうした過去を凌駕するような経験や事実を積むことを意識しないと、同じことを繰り返す可能性が高いからです。

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