タコの唐揚げがKite fry!? 日本にあふれる変な英語
前回の記事では、Go to travelキャンペーンをもとに、どうすれば正しい表現になるか、またどうすればより自然な響きの表現になるか、ということを考えてみました。
今回は、その流れをくんで、正しい英語表現を求める姿勢と、とりあえず英語を使ってみようという姿勢のバランスを考えてみたいと思います。
【第84回】英語の正しさ
Go to travelキャンペーンは政府のキャンペーンですから、正しい表現を使ってほしいと思うのは否定できません。
わざわざ英語にしなくてもいいんじゃないかなとも思いますが、これは政府機関だけではなく、さまざまな企業やお店を見ても、英語にすることで響きに斬新さが出たり、差別化につながるという考えもあるでしょう。
アメリカでも、アイスクリームのハーゲンダッツ(Häagen-Dazs)のように、ドイツ語やオランダ語のような造語をブランド名にすることで、既存のアイスクリームメーカーとの差別化に成功したという例もあります。日本でも英語だけではなく、レストランであればフランス語やイタリア語が使われていることもありますし、その表現が誤っていることも少なくありません。
このようにブランディング目的で外国語を使い、間違ってしまうこともありますし、また人気のある歌の歌詞にある外国語がおかしいということもあります。
そうすると、そのような歌を使った広告やメディアを海外で使えないという支障が生まれることも。もう少し細かいところまで気をつけたらいいのに、と思うことがあります。
従業員が張り紙を作ったのだろうが…
しかし、誤った外国語表現の中には、一生懸命に意思疎通を図ろうとした結果であることもあります。例えば私が日本でよく泊まるホテルのエレベーターには、Breakfast is in a basement.という張り紙があります。地下は1つしかないですから、aではなくtheであるべき。
現在形と未来形の使い分けも必要です。しかし日本語を読まない宿泊客のために、従業員が張り紙を作ったのでしょう。もしかしたら辞書を引いて、もしくはGoogle翻訳などを使ったのかもしれません。