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外資系産業医が明かす、今年も「過労死のニュース」がなくならない原因

キャリア

 さらに大切なことは、その残業時間が多い状態は、いつからいつまで、どれくらいの期間続いてきたのか続いていきそうなのかという持続期間です。長時間残業は今月のプロジェクト終了とともに終わるなど、残業が減る目安が見えるか否かは、疲労の蓄積に大きく関わります。これが見えるか否かも職場環境に含まれるでしょう。

 以上の要素を踏まえれば、労働時間が長くても疲労をためない働き方は、工夫次第で誰でもできます。しかし、残念なことに、今回のようなニュースから、このようなことまでを考える人はほとんどいないと思います。

残業時間以外にも注目すべき

 今回のようなニュースは、なくなることが一番です。しかし、それが起こってしまったときは、その職場環境において他の社員の残業時間の程度や、残業がたまたま発生したのか慢性的に発生している職場なのかなども、ニュースにあがり、人々の関心の対象になることが、本当に長時間労働による過労死を減らすための改革に必要と思わずにはいられませんでした。

 不幸を出したこの会社(組織)だけでなく、ニュース媒体や私たち個々人にも意識改革を求めるべき余地がまだあります。1つ1つの事件を単なる他人の不幸、ブラック企業のニュースということにすることなく、全ての働く人が、自分たちの職場環境や自分だったら、として、自らの働き方を考えるきっかけにして欲しいものです。

 新年早々の悲惨なニュースからそのようなことを考え、1年間の働き始めを過ごしています。

<TEXT/武神健之>

医学博士、産業医、一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。20以上のグローバル企業で年間1000件、通算1万件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を行っている。著書に『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書』(きずな出版)などがある

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