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コロナ禍で「五月病にならない」ために。産業医が教える処方箋

学び

 年度が替わり、学校や職場などの生活環境が変わって間もない頃、目立った病気などがあるわけでもないのに「なんだか調子が良くない」と感じてしまう。その状況がGWを経ても改善せず、ゴールデンウィーク明け(5月7日~)に体調を崩してしまう。こうした症状は一般的に「五月病」と呼ばれます

診断 医師

※イメージです(以下同じ)

 働く人1万人以上と産業医面談をしてきて感じるのは、五月病の原因は主に3つあります。新しい生活環境変化への適応疲れ、気心知れた人たちからの隔離、そして新年度での高すぎる期待です。

 そこで今回は、緊急事態宣言下での五月病対策として、心も体も元気で過ごせるよう3つの原因に対して処方箋を処方させていただきます。

緊急事態宣言下の生活変化で疲労が蓄積

 新型コロナ感染症のため、2020年は学校休校や在宅勤務と、前例のない新年度として始まりました。

 そして、待ちに待ったゴールデンウィークも、最長12連休が政府から推奨されるものの「ステイホーム~ゴールデンウィークは、うちで、すごそう~」と異例のものとなりました。

 政府は5月4日、緊急事態宣言を5月末まで延長すると発表しました。すでに2か月以上続く生活環境の変化で、多くの人は疲労が溜まっていて当然です。

 疲れていると人はストレスに対して脆(もろ)くなります。新しい生活環境に対して、“がんばっていた”人の気持ちが、疲労の蓄積とともに“がんばっているのに”に変わると、張り詰めていた気持ちの糸が切れ、ダウンしてしまうのです。

他人に話すと「9割」が楽になった

会話

 こうならないためには、“やりすぎない”ことが大切です。仕事も8割でよしとする、3食しっかり作るのではなく1回はお茶漬けやお弁当でよしとするなど「がんばりすぎない」、疲労を溜めすぎないよう、やりすぎないことを心がけましょう。

 また、疲労への対処の基本は、よく食べ、よく眠り、規則正しい生活を心がけることです。適度な運動習慣は、このきっかけとなることを付け加えさせていただきます。

 不安や悩みやストレスがあるとき、人は、医師やカウンセラーではなく、友人や家族に話すことで、9割の人が「ラクになった」と思えます。仕事帰りに友人と軽くお茶をする、1日の終わりにちょっとでも人と話す、そんなことで、人は不安やストレスや悩みを溜め込まずに、軽いうちに解消できるのです。

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