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初詣は“屋上で”御朱印を!全国の「大型商業施設の屋上神社」4選をめぐる

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番外編:林百貨店「末廣社」(台南市)

 最後に「番外編」として紹介したいのが、台湾・台南市にあるデパート「林百貨」(林百貨店)の屋上神社。ここには御朱印サイズの参拝記念スタンプが設置されている。

林百貨店

古都・台南の観光地としても知られる「林百貨店」

 林百貨の前身である「林百貨店」(ハヤシ百貨店)が開業したのは1932年12月。周辺は当時「台南銀座」「末廣通り」(現:台南市中西区中正路)と呼ばれる、台南随一の商店街だった。

 林百貨店は、経営者の林方一氏(開店直前に死去)は山口県から台湾に渡って来た内地人(日本本土生まれ)であったものの、店員・従業員は地元出身の本島人(台湾人)も多く、また館内催事では台湾美術や台湾の神様に因んだ展示が行われるなど地元住民にも親しまれる店づくりで、台湾南部初の百貨店として地域の象徴的存在となっていた。

 終戦後は中華民国に接収され、1946年より専売局や国軍などの事務所・宿舎として使われたものの、1986年からは全館が空きビルとなり、建物は荒廃した

一時は荒廃したビルだったが再び人気に

 永年、一等地で廃墟となっていた林百貨店だったが、2010年代に入ると台南市が文化財として建物を修復、2014年には市内のファッションビル運営企業が指定管理者となり、約70年ぶりに「林百貨」として営業再開を果たした。現在、館内では台南の特産品の販売や歴史の紹介が行われており、地域文化の発信基地として多くの観光客に親しまれている。

 林百貨の館内にはエスカレーターがないため、まずはレトロなエレベーター(復元)で一気に屋上に上がることをオススメしたい。屋上に着くと目に入るのが米軍による機銃掃射の痕。神社も鳥居の笠木が失われているほか、基壇には社殿はなく謎の棒が伸びている。実はこの棒、戦後に中国人民解放軍との戦闘を見越して高射砲が設置された痕跡らしく、歴史の荒波を潜り抜けて来た建物だということを実感させられる。

林百貨店

林百貨店の屋上。ガラスに保護された部分の穴は台南空襲の際にできたもの

 参拝後は館内を散策してみよう。館内では林百貨店オリジナルのお守り(神社に神様が居る訳ではないため「お守り袋」として販売)などを購入することもできる。参拝記念スタンプは館内下層階に設置されているため、お見逃しなく。

林百貨店

林百貨店の屋上・末廣社。台南市中心部が一望できる

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