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「セックスは噓偽りない」アラサー独身女子が抱える悩みの解決策<漫画>

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 ハリウッドの巨匠監督ウディ・アレンの1972年の作品に『誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』という映画がある。古典映画のパロディや社会風刺がきいた本作は彼にとって初期のスマッシュヒット作となったが、セックスのことを他人に話しづらいのはいつの時代も共通だろう

セックスちゃん

「セックスちゃん」©五百田達成・麻生羽呂・さかもと麻乃/GIGATOON Studio

 セックスがもたらす相手との噓偽りない関係に憧れ、気心しれた男性たちとの「体の関係」を続けているアラサー独身女子、柏木史恵。他人よりちょっと“セックスが好きなだけ”の彼女だが、一方で周囲の友達は結婚したり、子育てしたりと「普通の幸せ」を手にしはじめている。

 でも、そもそも「普通」ってなんだ。BL&百合ファンの多い漫画家のさかもと麻乃氏(作画)、著者累計120万部突破の心理カウンセラー五百田達成氏(原作)、Netflixで配信中の実写ドラマ『今際の国のアリス』の原作者でもある麻生羽呂氏(ネーム原作)という異色のコラボのもと生まれた漫画「セックスちゃん」が「コミックシーモア」にて配信中だ。

 今回は、原作を担当した心理カウンセラーの五百田氏、そして構成の麻生氏にインタビューを実施。またインタビューの最後には、前回に引き続き、漫画「セックスちゃん」の一部を特別に公開する。「セックスの悩み」を解消するため、史恵がとったまさかの解決策とは!?

【インタビュー前半】⇒「セックスが好きなだけ」独身アラサー女子を描いた“異色の漫画”が生まれたワケ

「狂気・非常識」と「普通・常識」

――実体験で作品に盛り込まれているエピソードがあれば教えてください。

五百田達成(以下、五百田):僕自身がこれまでの人生で「狂気・非常識」と「普通・常識」との間で、揺れてきました。プロフィール上は順調そうに見えるかも知れませんが、もちろんその過程では、いろいろあったわけです(笑)。

 また、一時期、恋愛・結婚・仕事をトータルでキャリアカウンセリングするサービスを行っていて(「恋と仕事のキャリアカフェ」→現在は休止)、そこで、たくさんの女性の話に耳を傾けました。

 そこで語られる悩みの共通点もまた「狂気・非常識」と「普通・常識」でした。「普通なら結婚しているはずの年齢なのに」とか「一般的には会社を辞めない方が賢いとはわかってる」とか。

 そこで「自分の生き方は自分で決めていくしかない。それは確かにめんどうでいばらの道だけど、自由で可能性に満ちている」というメッセージを繰り返し伝えてきました。今回改めて、作品という形で世の女性たち(と自分)にエールを送りたい、という気持ちで書いています。

「究極のコミュニケーション」の創作は必然

セックスちゃん

「セックスちゃん」

――人に大っぴらに言えないこと、なかには不健全に感じられそうなテーマをあえて描くのはリスクではなかった?

五百田:テーマが「狂気・非常識」と「普通・常識」なので、もっとも「人に大っぴらに言えないこと、なかには不健全に感じられそうな」ことを突き詰めた結果、このテーマにたどり着いたという感じでしょうか(笑)。

――心理カウンセラーとして、セックスによって承認される関係の良し悪しをどう思いますか?

五百田:「コミュニケーション」は、もうひとつの僕のライフテーマです。話す、聞く、伝える、つながる……。そこに立ちのぼる人間心理について考えるのを生業としています。創作のテーマが、その延長としての「セックス」(=究極のコミュニケーション)になったのは、必然なのかもと思います。

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