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身近な人が統一教会に入信したらどうすべき?霊感商法対策の弁護士が警鐘

ビジネス

お金を搾り取られた被害者がほとんど

宗教

――SNSでは、弁護団の先生がたは信者を食い物にして稼いでいるんだろうという声がありました。

阿部:稼ごうと思ったらこの仕事はしません。大変すぎるし、いろんなリスクもあります。全国弁連の仕事はボランティアですし、旧統一教会ではないですが担当していたある教団との訴訟では、訴訟を起こしてから高裁で終結するまで11年もかかりました。旧統一教会の場合は、損害の整理から始めて確定しないといけないので、一般の事件に比べたらはるかに時間も労力もかかります。

 お金を搾り取られたかたがほとんどなので、着手金を大幅に減額したり、分割にしたり、毎月少しずつ積み立てていただいたりしてなんとか対応しています。もしこれが儲かる仕事だったら、もっとたくさんの弁護士がやりたがるのではないでしょうか。

――ではそんな大変な仕事を続けられているモチベーションはなんですか?

阿部:今後の被害を抑えたいということ、あとは被害者の方をなんとかしてあげたいという気持ちですね。

<取材・文/熊田リキ>

【阿部克臣(あべ・かつおみ)】
山形県鶴岡市生まれ。早稲田大学卒業後、2009年第二東京弁護士会に登録。リンク総合法律事務所所属。一般民事事件、家事事件、刑事事件に加え、悪徳商法等の消費者被害事件を多く取り扱い、多数の消費者被害弁護団に所属している。最近では、成年後見、遺言等の高齢者事件も多い。弁護士会では業務妨害を受けた弁護士を支援する活動も長年行っている。所属団体は、全国霊感商法対策弁護士連絡会、全国先物取引被害全国研究会など多数

各種編集を経てフリーライターに。生きにくい人たちが少しでも減ることを願い、社会問題を取り上げた記事をメインに執筆している

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