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父親の失踪、月330時間労働…元ラーメン屋店長のNo.1ホストが歩んだ波乱の人生

ビジネス

 新宿歌舞伎町には、数多のきらびやかなホストクラブが立ち並ぶ。キャストの個性もさることながら、店のコンセプトも様々。「HAMLET」という店舗は中世をイメージした豪華な内装が特徴だ。一見、苦労知らずな“王子様の城”と見間違えてしまいそうになるが、そうでないからこそ夜の世界は奥深い。

大川裕貴

大川裕貴さん

 同店で代表を務める大川裕貴さん@yuuki12_03)は、ラーメン屋の店長から成りあがった、いわばたたき上げの男である。一体どのようにして売上No.1ホストになれたのか? 理由を紐解いていくうちに浮かんできたのは、波乱万丈な人生模様だった。

裕福な家庭で過ごした少年時代だったが…

「当時、父親は会社の経営者でした。中学・高校は私立の学校に通わせてもらい、当然のように大学進学を予定していました」と語る、大川さん。何不自由ない暮らしをしていた彼の人生をガラリと変える出来事が起こる。それは当時18歳、大学入試試験当日のこと。

父親が失踪したんです。本当に突然の出来事だったので、何がなんだかわからないまま、寒空の下を母親と2人で探し回ったのを覚えています

返済の催促から逃げるように…

大川裕貴

 懸命に捜索するが努力は実らず、その日を境に母1人子1人の生活が幕を開けた。一言でいうと苦難の道のりである。さらに実は、父親が莫大な借金を抱えていたことも発覚し、連帯保証人であった母親と共に身を粉にして働く必要に迫られたのだ

 1年ほどレンタカー屋で務めた後、母親の働くアルバイト先のラーメン屋の系列店に籍を移すことに。

「それまで母親は専業主婦だったので、『大学に行っている場合じゃないな』と。家には借金の返済に関する電話が頻繁にかかってくるようになり、当時住んでいたマンションから引っ越して、逃げるように各地を転々としていました」

 父親が失踪してから2年ほどが経過し、店でいつものように開店前の朝礼をしていた時に衝撃的な一報が入る。

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