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売上高が3倍…ラウンドワンが絶好調。アメリカで支持された意外な背景

ビジネス

 ボウリング場の「ラウンドワン」は、店舗によってはビリヤードやゲーム機、フットサル場などを揃える総合アミューズメント施設でもあります。近年はコロナの感染拡大に伴って売上高が急激に減少しました。

ラウンドワン

ラウンドワン 池袋店 ©Nagahisa_Design

 しかし、コロナ後の方針をみると2023年3月期は売上高1297億円と、同社過去最高の1048億円(2020/3期)を上回る強気の予測を立てています。実はアメリカ、中国への進出を進めており、これが業績を牽引しているようです。海外進出がラウンドワンにどの程度の恩恵をもたらしているのか、そして具体的にどのような戦略をとっているのか決算資料を基に紐解いていきます。

総合アミューズメント施設として勢力拡大

 ボウリング場の数は1972年に3000店を超えた後、1975年には2000店舗を下回り、2010年以降は1000店舗以下……と減り続ける一方です。競技人口も2000年に3200万人近くいましたが、近年では1000万人を下回る水準です(日本ボウリング場協会調べ)。しかしそんな状況下でもラウンドワンは着々と勢力を拡大していきました。

 1980年にゲームコーナー併設型のスケートリンクとして設立された同社は、1982年からボウリング事業を開始。1990年にはアミューズメントコーナーを併設した屋内型複合施設としてのボウリング場をオープンさせました。

 1999年にはカラオケルームを設置するほか、2004年からはスポーツフロア(スポッチャ)も併設したスタジアム型店舗を展開し始めるなど、ラウンドワンは単なるボウリング場ではなく「総合アミューズメント施設」として知られるようになりました。さまざまな施設を併設していなければ、ここまで伸びていなかったことでしょう。そして1998年には東証二部に上場し、1999年には一部上場(現プライム)に鞍替えしています。

米国事業に支えられたV字回復

ラウンドワン

画像は公式サイトより

 それでは、近年(2019/3期~2022/3期)までの業績推移を見ていきましょう。決算資料から、ラウンドワンが見事にV字回復を遂げていることがわかります。これは後述する米国事業に支えられているからです。

【ラウンドワン(2019/3期~2022/3期)】
売上高:1013億円→1048億円→610億円→942億円
営業利益:114億円→89億円→▲193億円→▲17億円
最終利益:72億円→48億円→▲180億円→39億円
店舗数(国内):105店→103店→99店→99店
店舗数(米国):32店→41店→44店→46店
売上高(米国):163億円→205億円→76億円→321億円

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