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V字回復「不二家」と“ほか2社”。飽和状態のスイーツ業界に希望はあるのか

ビジネス

モロゾフ:売上高のほとんどが「洋菓子製造販売事業」

モロゾフ

©beeboys

 モロゾフといえばチーズケーキや「アルカディア」ブランドのクッキー、カスタードプリン類で有名なスイーツ直売店です。贈答用に購入する方も多いかと思います。自社で展開する店舗のほか、デパ地下のコーナー店舗でよく見かけます。

 事業セグメントは売上高のほとんどを占める(1)洋菓子製造販売事業と、「カフェ モロゾフ」を運営する(2)喫茶・レストラン事業を展開しています。2019/1期から2022/1期までの業績は以下の通りです。

【モロゾフ(2019/1期~2022/1期)】
売上高:295億円→295億円→257億円→272億円
営業利益:21.9億円→16.7億円→7.5億円→20.1億円
最終利益:14.0億円→11.0億円→3.5億円→10.3億円
売上高(洋菓子製造販売事業):279億円→279億円→245億円→260億円
売上高(喫茶・レストラン事業):16.8億円→16.5億円→11.4億円→12.1億円

コロナの影響からまだ回復途上か

 2020/1期はスイーツ人気などでプリン、チーズケーキ、レモンケーキといった洋生菓子の販売が好調となった一方、長続きした梅雨や大型台風など天候不調によりシャーベットなどの夏季商品が低調となりました。一進一退で売上高は前年と同じ水準です。

 2021/1期はコロナの影響を大きく受けました。消費者が外出を控えたことで百貨店に寄ったついでにスイーツを購入するという消費行動が見られなくなったほか、お土産や贈答用の需要も減少しました。百貨店の休業も影響しています。クッキーなどの干菓子、ケーキ類の洋生菓子共に売上が落ち込み、主力事業全体では大幅減収となりました。喫茶・レストラン事業もテナント先の休業や客席数減少の影響で大きく落ち込んでいます。

 翌2022/1期は行動制限が緩和されたことでやや回復しました。干菓子はバレンタイン商品が低調だったものの、新商品やEC販売が好調となり、洋生菓子類はケーキ類の売上が巣ごもり需要に支えられて伸びました。カスタードプリンなどのチルド商品も好調だったようです。

 主力事業はコロナ以前の水準には届いていませんが、回復の兆しが見えていることがわかります。なお喫茶・レストラン事業は依然軟調となっています。

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