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V字回復「不二家」と“ほか2社”。飽和状態のスイーツ業界に希望はあるのか

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サーティワンアイスクリーム:国内1200店舗展開

サーティワン

©beeboys

 31種類のアイスの中から1か月間毎日違ったフレーバーを楽しめるという意味で名付けられたというサーティワンアイスクリーム(Baskin-Robbins)。全世界で52か国・8000店舗を展開しており、日本国内には1200店舗あります。国内では「B-R サーティワンアイスクリーム株式会社」が運営し、店舗のほとんどがFC店です。2018/12期から2021/12期の業績は次の通りです。

【B-R サーティワンアイスクリーム(2018/12期~2021/12期)】
売上高:201億円→193億円⇒176億円→194億円
営業利益:4.5億円→5.2億円→7.6億円→11.8億円
最終利益:2.8億円→4.4億円→4.4億円→7.8億円
店舗数:1165店→1174店→1210店→1229店

1200店舗を超えて頭打ち感が?

 2019/12期は「フレーバー・オブ・ザ・マンス」として毎月新商品を提供するほか、ハロウィンやクリスマスなど季節ごとの商品を積極的に販売しました。同社にとって情報発信力の強い女子中高生をターゲットにしたSNSでの広告も積極的に実施しました

 しかし前年に実施したソフトバンク社とのコラボ「SUPER! FRIDAY」(ソフトバンクユーザーを対象としたクーポン)を本年は1か月しか実施しなかったこともあり、全社売上高は減少しています。コロナ禍の2020/12期は予想通りですが、休業や時短、消費者の外出自粛の影響で大幅減収となりました。大容量商品などテイクアウト用の商品を充実させましたが、減収分を補うには至らなかったようです。

 一方で利益面では売上高に即した宣伝の効率化や物流費の削減、旅費交通費の削減によって前年以上の利益を叩き出しています。この点は本社が不況に晒されにくいFCビジネスの強みが現れていると言えます。翌2021/12期はコロナ以前の施策を積極的に再開し、売上高が回復しました。

 ポケモンや亀田製菓とのコラボ商品開発、ハロウィン・クリスマスなどのイベント商品の開発のほか、自社アプリ「31club」での広告を実施しました。消費行動の復活が業績回復の主要因ですが、前述のような同社の施策も回復に寄与したと考えられます。

 なお利益面では売上総利益の増加や生産性の向上によって営業・最終利益が増えたようです。今後はさらなる成長が期待されるところ。ですが、店舗数の推移をみると2003年に500店舗、2010年に1000店舗を記録したのに対し、2022年では1200店舗突破にとどまっており、すでに頭打ちとなっていることがわかります

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