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資産が目減りする前に!米ドル、人民元…今こそ狙うべき世界の通貨4選

コラム

 ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに資源価格が高騰している。各国でインフレが進み、遠く離れた私たち日本人にとっても、ウクライナ情勢は他人事ではない。金融経済の分野では今どういったことが起きていて、今後どのような事態が想定されるのか? 日本を含む西側諸国による効果的な経済制裁とはどのようなものなのか?

ウラジミール・プーチン大統領

ウラジミール・プーチン大統領 Vladimir Putin © Igor Dolgov | Dreamstime.com

 世界経済の変化を日々追っている金融アナリストの戸田裕大氏が先日上梓したのが新書『ウクライナ侵攻後の世界経済と金融マーケット』だ。今回は同書より、円安のヘッジはどうすればよいのかを解説した章を紹介したい(以下、同書より抜粋)。

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円安のヘッジはどうすればよいのか?

 みなさんが最も困るのは、円安で資産が目減りしていくことだと思います。そこで実際に円安対策を考えていきます。円安の対策といっても手段はたくさんあります。不動産投資に金などのコモディティ投資、株式投資に債券投資などありますが、何と言ってもシンプルに円の安さをヘッジするなら外貨預金が最もよいでしょう

 銀行の外貨預金もよいですが、一般に預金利息はそこまで高くないので私は「FX積立」というものを使って円安をヘッジしています。まだそこまで多くの会社が提供しているサービスではないですが、いくつかの金融機関がサービスを提供しており、私は外為どっとコム社の「らくらくFX積立」というものを用いて取り組んでいます

 日本円の収入のうちから幾分かの円をこの積立機能を使って毎週定期的に人民元とメキシコペソに転換しています。このサービスを活用することで円安のリスクをヘッジするとともに、人民元やメキシコペソの本来高い金利メリットを享受することができます。

日本円が安くなったときに備える

戸田裕大

戸田裕大『ウクライナ侵攻後の世界経済と金融マーケット』(扶桑社新書)

 それからそもそも自分の金融資産の半分程度は米ドル建てで保有しています。円安は根深いと考えているので、日本円が安くなっても大丈夫なように備えているということです。単に米ドルで保有しているとリターンに妙味がないので、S&P500やNASDAQ100と呼ばれるインデックスに連動する上場投資信託に投資しています

 現在の米ドル基軸通貨体制やアメリカの経済成長力を鑑みるにこれでよいと判断しています。目先は売られやすいでしょうが、資産形成としての買付と、短期的な売買は切り離して考えています。

 さらに短期資金では私の生業でもあるFX(外国為替)で運用しています。もともと銀行内で外国為替ディーラーを担当していましたので、このスキルをさらに伸ばす挑戦の場としても、また金融マーケットを学び続ける場としても活用しています。

 私が資産形成をしたことのない人におススメしたいのはまずは円安をヘッジしてみてはどうかということです。もちろん円高になってしまえば投資そのものからは損が出る可能性が高いですが、その際にはみなさんのたとえば持ち家であったり、家族の財産であったり、そういった一切合切は相対的に値上がりしているわけですから、トータルで考えて問題ないと考えます。

ウクライナ侵攻後の世界経済と 金融マーケット

ウクライナ侵攻後の世界経済と 金融マーケット

外国為替を通じて世界情勢を見ている著者が、ウクライナ侵攻に関して情報を整理し、将来の世界経済や金融マーケットのシナリオを提示

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