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一般的な投資のリターンは年に何%?年代別に理想的な資産形成のあり方

コラム

 ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに資源価格が高騰している。各国でインフレが進み、遠く離れた私たち日本人にとっても、ウクライナ情勢は他人事ではない。金融経済の分野では今どういったことが起きていて、今後どのような事態が想定されるのか? 日本を含む西側諸国による効果的な経済制裁とはどのようなものなのか?

ウクライナ

ウクライナ  Anti-war protest. © Rokas Tenys | Dreamstime.com

 世界経済の変化を日々追っている金融アナリストの戸田裕大氏が先日上梓したのが新書『ウクライナ侵攻後の世界経済と金融マーケット』だ。今回は同書より、資産形成の目的と考え方を解説した章を紹介したい(以下、同書より抜粋)。

【関連の記事】⇒《物価上昇はいつまで続く?ウクライナ侵攻だけじゃない“深刻な要因”》を読む

資産形成の目的と考え方

 資産形成を目指す理由は人によってさまざまだと思います。たとえば……

・生活に必要最低限のお金を早期に貯めたい
・家族や自分のチャレンジに使えるお金を増やしたい
・今よりも裕福な暮らしをしたい
・老後のために必要な資金を貯めておきたい

 こういったことが考えられます。正直、理由はなんでも構いません。ですが、時としてお金は必要であり、そのために早い時期から手を打っておくのはよいと思います。「老後2000万円問題」という言葉もメディア等で大きく取り上げられ話題になりました。これは、もともとは令和元年に金融庁の金融審議会がまとめた「高齢社会における資産形成・管理」 という報告書の中で用いられた言葉です。

 報告では、人生100年時代において、老後の毎月の不足額を約5万円と仮定し、定年退職後に33年間生存した場合に約2000万円の蓄えが必要であり、それに向けて準備したほうがよいと指摘しています。

少しずつでもお金を貯めることを心がけて

戸田裕大

戸田裕大『ウクライナ侵攻後の世界経済と金融マーケット』(扶桑社新書)

 まず、資産形成を始めるにあたって、お金を貯めることが重要です。銀行員時代、一つ上の先輩が貯蓄上手だと聞いて秘訣を教えてもらいに行ったことがあります。彼は「給与から天引きしてしまうこと」が貯めるコツであると教えてくれました。

 私はそれまではなかなかお金を貯めることはできなかったのですが、その後は勤続年数によって給与が上昇していったことと、先輩の教えをすぐに実践に移したことで、徐々に貯蓄が増えました。ほどなくして外国為替に関する部署に入り、そこから10年間ほど銀行の運用に携わったので、今でこそこうして経済や金融に関する情報を発信していますが、最初は本当にそんなレベルです。

 まずは少しずつでもよいのでお金を貯めることを心がけてみるとよいでしょう。お金がある程度貯まったら、そこから資産運用に着手してみてください。

ウクライナ侵攻後の世界経済と 金融マーケット

ウクライナ侵攻後の世界経済と 金融マーケット

外国為替を通じて世界情勢を見ている著者が、ウクライナ侵攻に関して情報を整理し、将来の世界経済や金融マーケットのシナリオを提示

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