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未払い残業代は取り戻せる。CEO弁護士が目指す「泣き寝入りゼロ」の社会

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 日本では、年間に約44万件(地方裁判所と簡易裁判所の件数合計)の民事裁判が起こっています。数字だけを見ると「多い」と感じるかもしれません。しかし、「実際には訴えたくても行動に移さず『泣き寝入り』している人が大勢おり、裁判数はもっとたくさんあってもおかしくない」と考える弁護士がいます。

裁判

※画像はイメージ

 裁判のための費用を支援する「リーガルファイナンス」事業を行う株式会社日本リーガルネットワーク代表取締役CEO兼COOの南谷泰史氏です。なぜ泣き寝入りは起こるのかについて、同氏に聞きました。

不当解雇、残業代未払いの問い合わせ

 民事事件とは、刑事事件以外のトラブルを扱う裁判のこと。たとえば、残業代の未払いや不倫、不動産取引の契約トラブルなど幅広い項目が該当します。民事裁判は弁護士の仕事の多くを占めることもあり、日本リーガルネットワークにもさまざまな内容のお問い合わせが寄せられています。

「いただくお問い合わせの中で一番多いのが、残業代未払いや不当解雇をはじめとした労務関係です。全体の25%ほどに当たり、問い合わせ主は男性に多い傾向があります」(南谷氏、以下同じ)

 裁判所によると、令和2年度の労務関係の新規訴えの数は3960件で、前年度(3619件)より341件増加しています。過去の件数を見ると増えても100件程度だったことや前年度比で減少したケースがあったことを考えると、コロナ禍を反映した結果だと言えますね。

民事裁判

民事裁判件数(※裁判所資料から筆者作成)

「対して女性からのお問い合わせが多いのが、夫婦関係や離婚問題、医療訴訟ですね。医療訴訟が女性に多いのは、美容整形でのトラブルが影響しています。ほかには不動産取引、土地や建物、財産などの相続問題も揉めがちです。相続については高齢の両親からの引き継ぎという特性上、問い合わせ主の年代は50代以降が主流です」

100万円超を一括払いするケースも

日本リーガルネットワーク

株式会社日本リーガルネットワークの南谷泰史代表

 冒頭で紹介したように、現実には訴訟を起こしたくても我慢してしまう人は、少なくありません。泣き寝入りしてしまう背景には「我慢が美徳」「空気を読む」といった日本人の国民性が影響してると考えられますが、ほかの要因として南谷氏が挙げたのは「裁判による金銭的な負担」です。

 民事裁判を起こすには、裁判所に対する手数料や印紙料のほか、弁護士への着手金や報酬金、移動にかかる交通費などさまざまな費用が発生します。特に弁護士費用は、数十万円、場合によっては100万円を超える費用を一括払いする必要があり、金銭的な負担は大きいものです

 しかも100%勝てる、相手から金銭を回収できる確約もあません。そう考えると、訴訟を起こさずに自分で気持ちに折り合いをつける選択をするのも理解できます。

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