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コロナ倒産する企業はまだまだ増える?「賃上げできない企業」は苦境に

ビジネス

生え抜きの新卒に頼るばかりではジリ貧に

 ビジネスモデルの変革だけでなく、社員一人ひとりの働き方改革も求められる。特にコロナ禍では大企業ほど率先してリモートワークを推進するといった動きが見られている。社員数が多く、組織が大きな大企業だからこそ、多用な人材を受け入れ、働きやすさを大事にしているかどうかは企業の将来性に大きく関わってくるだろう。

「ビジネスモデルの中にはそれを実現するための組織が含まれるということも忘れてはいけません。コロナ禍により多様な働き方、多様な働き手が急増しています。これからは新卒一括社員を使うのではなく中途、副業、フリーランス、出戻り、シニア……と幅広い働き方やマインドを持った社員を統合し、率いていかなければ、大手企業であっても組織力が減少し、競争に勝っていくことは厳しくなる。

 そのために必要なのはパーパス(なぜこの会社が存在するのか)を突き詰め、組織に伝達することにつきます」

倒産する企業が増加する要因

円安

 2021年の年間6015件と比べてもハイペースで倒産件数が増加している2022年。森氏いわく、飲食や旅行業は企業規模にかかわらず、今後も厳しい経営環境が続くという。

 リモート勤務の継続によって、飲食業の収益の柱とも言えるディナーや飲み会需要の戻りは限定的だと予想されるからだ。また旅行業も出張需要やインバウンド需要などが減るなかで、倒産数は今後も増加すると考えられる。また、ロシア関連の海外情勢を含めた円安も大きく影響している。

「実際に倒産件数の上位には建設工事業や食品関連の企業が増加していることからも、不動産開発や建設業は大企業であっても今後も倒産が一定数起きるでしょう。コロナ禍で体力を奪われるなか、円安や海外での木材需要の増加によって資材や原材料の輸入価格が高騰しています

 また半導体を中心に、コロナ禍およびロシア関連での混乱から資材不足が生じ、通常よりも納期が遅れている住居が増加。こうした複合的な要因から資金繰りの悪化と利益減が生じ、倒産する企業が増加すると考えられます」

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