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パワハラで自殺、6時間の説教…警察・消防・医療「特殊な環境」で働く人たちの葛藤

ビジネス

自分たちにも命の危険がある

消防隊員

 警察、消防は気を抜けば自分の命も危ない場面があります。想像してみても警察学校、消防の訓練は厳しいイメージがあります。命の危険はコロナ禍で今では医療従事者にも同じことが言えるようになりました。厳しくなければ「命を救えない」「仕事が成り立たない」などの考え方が、長年積み重なり、ハラスメントを容認してしまう風潮となったのでしょう。

 優先順位として、医療であれば目の前の患者を、警察・消防であれば被害者を「救いたい」という気持ちが強い言葉や過度な指導になってしまいます。この部分のハラスメント対策はとても重要な課題です。

当事者は「指摘しづらい」葛藤の声も

 筆者が代表理事を務める日本ハラスメント協会にも、医療関係者の人から「パワハラを指摘することに責任を感じる」という声がありました。指摘することで、その人の良さである能力を発揮できなくなるかもしれない自分の責任、患者の命を守れなくなる影響を心配して「葛藤している」とのことです。

「指摘するのは悪、というような雰囲気を感じる」とも言っています。警察、消防から依頼される研修では、ハラスメントが容認されやすい部分に焦点を当てて、防止することの大切さを浸透させてほしいというリクエストがあります。関係者の人たちも「指摘しづらい」風潮に頭を抱えていることがわかります。

 指摘しづらい環境下でもハラスメント防止を進めながら仕事をするためにはどうしたらよいのでしょうか。警察、消防、医療の現場で働く人たちを含め、ここからはそのような環境下で働く人に考え方としてのアドバイスをお伝えします

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