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パワハラで自殺、6時間の説教…警察・消防・医療「特殊な環境」で働く人たちの葛藤

ビジネス

 私たちが日々安心して暮らせるのも彼らのおかげと言っても過言ではないかも知れません。警察、消防、医療どれも日本に暮らす私たちにとって大切なエッセンシャルワーカーです。共通するのは「一刻を争う命の現場」に遭遇する特殊な環境下で働いていることです。事件、事故、災害の時にも活躍されている姿はイメージしやすいと思いますが、特殊な仕事であってもハラスメントは例外ではなく起きています。

警察官

※画像はイメージです(以下同じ)

 今回はハラスメント研究家(@murasaki_kaname)の立場から特殊な環境下で働く現場で起きているハラスメントの実態に迫り、現職として働く人に向けてアドバイスをお伝えします。

「警察官」「消防士」「医療従事者」の事件

 2020年に長崎県佐世保署の男性警部補が上司からのパワハラ、長時間労働により自殺した事件。直属の上司から同僚らの前で「できないなら係長をやめろ」などと叱責をされていました。時間外労働は月200時間前後だったと見られ、公務災害に認定されています。

 2021年に三重県志摩市の消防本部の消防司令長が9年間にわたって部下にパワハラ行為をしていたとして懲戒処分された事件。複数の部下に対して暴力や「バカ」「役立たず」などの暴言がありました。別の上司にあたる消防司令補も部下に対して「小学生以下」なとどと暴言や最大6時間の説教をしていたとして懲戒処分されています。

 2021年に大阪の堺市立総合医療センターで部長級の男性職員が複数の職員に対して、理不尽な理由で叱責するパワハラ行為をしていたことが発覚し、懲戒処分されています

特殊な職業に共通する「厳しさ」

医師

 このように警察、消防、医療それぞれの業界でもハラスメントの事件が起きています。社会的な責任がより重い業務を遂行していく中でハラスメント対策がうまくいっていない実態が見えてきます。

 警察、消防、医療の関係者からは「厳しい指導が必要」「甘やかしはいけない」「気を引き締める必要がある」「何かあったら取り返しがつかない」などの意見をよく聞きます。警察、消防、医療の業務を遂行する上で必要な考え方や精神として一見間違っていないようにも思えます。

 しかし、不適切な発言、暴力など適切な指導の範囲を超えたことを認めず、上記のような意見を正当化することには問題があります。うつ病になるほどの厳しさ、自殺に追い込むほどの厳しさは必要ありませんから「ハラスメントではない必要な厳しさ」を明確にした上で、共通認識を持って指導を行うことが大切です。

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