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「都民ファ」と「国民民主」の合流に有権者から不安の声。参院選に向けて各党に動きが

ビジネス

政策通だが、政局オンチの前原誠司

民進党代表選

岡田克也代表の後任を選ぶ2016年の民進党代表選は、蓮舫議員・前原誠司議員・玉木雄一郎議員の3者で実施された

 しかし、問題はその手段です。有権者は2017衆院選の出来事を思い出さずにはいられません。民進党が希望の党へと合流する際、民進党の代表を努めていたのが前原誠司議員です。前原議員は選挙にも強く、民主党時代から若きエースと期待される逸材でした。2005年には早くも民主党の代表に就任しています。

 前原議員は政策通としても知られますが、他方で永田町関係者からは「政局オンチ」と言われることもあります。勉強家で政策にも通じ、選挙に強いことがアダになり、前原議員と一般有権者の温度感や永田町の風向きがズレているのが原因のようです。先の「希望の党合流騒動」も、前原議員のズレた感覚が引き起こしたとされています。

国民民主党が一人区で独自候補を立てても…

前原誠司

2016年の民進党代表選で敗北した前原議員。代表選後の囲み取材で、報道陣に悔しさをにじませた

 現在の国民民主党は玉木代表が全般的に舵取りを担っていますが、代表代行兼選挙対策委員長に前原議員が就いています。こうした背景も、国民民主党の支持者が「大丈夫なんだろうか?」と不安を抱く要因になっています。

 先述しましたが、衆院選と参院選とでは選挙制度が異なります。党との連携や協力は欠かせないため、国民民主党が一人区で独自候補を立てても、当選することは難しいと言わざるを得ません。また、単純に2017年とは取り巻く政治状況は違います。同様の事態が起きると言い切ることは早計です。

 それでも公党のトップである玉木代表は、支持者や有権者の不安を解消することに努めなければなりません。合流や連携といった話を持ち出すなら、支持者が納得できる説明が必要です

 参院選まで、まだ約半年あります。とはいえ、候補者の擁立や調整には時間を要します。水面下での動きもあると思いますが、この動きもますます活発化しそうです。

<TEXT/フリーランスカメラマン 小川裕夫(@ogawahiro)>

フリーランスライター・カメラマン。1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経てフリーに。首相官邸で実施される首相会見にはフリーランスで唯一のカメラマンとしても参加し、官邸への出入りは10年超。著書に『渋沢栄一と鉄道』(天夢人)などがある
Twitter:@ogawahiro

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