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「都民ファ」と「国民民主」の合流に有権者から不安の声。参院選に向けて各党に動きが

ビジネス

参議院一人区は「野党連合」が肝に

2016年に実施された民進党代表選に出馬した玉木雄一郎議員。このときは、蓮舫議員が代表に選出された

 他方、野党の立憲民主党・共産党・国民民主党・れいわ新選組は調整の経験が浅く、そのために候補者が乱立気味になっていました。一人区や合区で野党票が分散すれば、候補者を一本化した自公が勝つ可能性が高まります。

 野党票の分散を防ぐため、先の衆院選で立憲民主党・共産党・国民民主党・れいわ新選組の野党4党が候補者を調整。候補者を一本化したことで、自民党に競り勝った選挙区も目立ちました

 2022年の参議院一人区は、野党はさらに候補者調整を進めなければ勝ち目がありません。そうしたことから、衆院選後の立憲民主党代表選でも「野党連合を進めるのか、否か」がひとつの焦点になっていたのです。

 衆院選後、国民民主党は野党連合から一定の距離を置くようになりました。そして、1月13日に国民民主党と都民ファーストの会は国会内で合同勉強会を開き、1月17日には玉木代表が参議院選に向けて都民ファーストの会との合流も視野に入れて候補者を調整すると発表したのです

「排除」発言で失速した希望の党

荒木千陽

2017年の衆院選で希望の党から出馬した若狭勝候補の応援に駆けつけた荒木千陽都議。小池百合子都知事が衆議院議員だった頃には秘書として仕えた

 地域政党である都民ファーストの会は、現在のところ国会議員を有しません。2021年の衆院選では「ファーストの会」を立ち上げて衆院選に候補者を擁立することを発表しましたが、準備が間に合わず撤回しています。

 都民ファーストの会の代表は荒木千陽都議会議員ですが、小池百合子都知事が実質的なトップを務めてきました。2017年の都議選では、小池都知事が街頭に立って都民ファーストの会を全面的に支援。“小池旋風”とも言われる大躍進を果たしています。

 都議選で議席を大幅に増やした勢いそのままに、小池都知事は国政にも進出を図ります。自身は都政に専念するとの名目で出馬しませんでしたが、前原誠司議員が代表を務めていた民進党と合流する形で、2017年に希望の党を設立。希望の党でも旋風を起こすのではないか? との事前予測が流れました。

 しかし、記者会見で「希望の党は、民進党の議員全員を受け入れるのか?」との記者からの問いに対して、小池都知事は「(考え方が合わない議員は)排除します」との発言。これが逆風を起こし、勢いを失いました。結果、衆議院選挙は思うように議席を得られなかったのです。

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