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たった2名のドミノ・ピザ開発部隊。不評だった味と「人気番組リベンジ」のウラ側

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 新型コロナの緊急事態宣言や外出自粛が追い風となり、あらためて注目が集まったフードデリバリー。宅配ピザ業界でも需要が高まり、各社ともに顧客の要望に応えようとさまざまなサービスを展開した。

 なかでもドミノ・ピザは、コロナ禍の需要を受けて2020年5月にデリバリー最低注文金額の完全撤廃を発表。いち早く顧客のニーズに合わせたサービスを実施した。続々と新たなサービスや商品を打ち出すドミノは、全国で863店舗(12月8日時点)を展開している。

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ドミノの商品開発セクションでメニュー開発をおこなう小湊悠太郎氏 画像提供:株式会社ドミノ・ピザ ジャパン(以下同じ)

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 しかし驚くことに、商品開発をおこなうのは、たった2名の精鋭部隊。そのうちの1人が、大好評「裏ドミノシリーズ」の開発者でもある小湊悠太郎氏(34歳)。アルバイトから店長、商品開発担当に抜擢されるまでの経緯ほか、2021年11月に放送されたテレビ番組『ジョブチューン』で過去の雪辱を果すまでの道のりについても取材した。

アルバイトからのスタート

 食べることが好きで16歳頃から飲食店でアルバイトをしていた小湊氏。大学時代からドミノ・ピザでアルバイトをはじめ、調理師免許や栄養士の資格も取得している。

「大好きというより、『惚れ込む』という表現のほうが正しいかもしれません。毎週のようにドミノのピザを注文していました。大学を卒業後いったんは別の会社に就職しましたが、ドミノへの思いが断ち切れず、転職しました。『いつか、大好きなピザの開発に携わりたい』と考え、ずっとチャンスを狙っていたんです。そして、店長に就任。幸い商品開発セクションに異動するチャンスがあり、大喜びで応じました」

 サラリと話す小湊氏だが、店長時代にはピザの完成クオリティを高めて、ドミノのお客様満足度向上に尽力するとともに、売上アップの成果をあげている。その結果、狭き門の商品開発セクションへの道が開かれたのだ。

連日ピザ10枚食べ却下の連続?

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2021年に発売された4種類の味が楽しめる「月見クワトロ」

「商品開発は、実際は地味で地道な仕事です。新しい味を開発するため、連日のようにピザを10枚以上食べたり、トッピングの具材だけを食べ続けたりもします。味や見た目を少しずつ変化させたピザを作り、味をみてはまた作るという繰り返しです」

 仕事で食べる機会が多いため、プライベートでは食事を摂らないことも多いという。いくら味が変化するとは言え、毎日ピザだと嫌になるのではと心配になるが、「休日でもピザを食べる」という驚きの回答が

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