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インターホン大手の業績が過去最高。“最大のライバル”の失速が背景に

ビジネス

 インターホン大手のアイホンの業績が絶好調です。2022年3月期第2四半期の売上高は前期比24.6%増の253億3400万円、営業利益は同174.7%増の32億5600万円となりました。純利益は212.1%増となる27億7800万円です。この数字は1948年6月の創業以来、売上高・営業利益・純利益ともに最高となりました

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 2022年3月期通期の売上高は前期比13.8%増の525億円、営業利益は同38.0%増の50億円、純利益は同36.3%増の41億円を予想しています。予想通りに着地すると営業利益率は9.5%となり、コロナ前の2019年3月期の5.9%から3.6ポイントも上昇することになります。

 コロナ禍による非対面接触化が進み、インターホン需要が膨らんだとしていますが、それは本当なのでしょうか? 本記事ではアイホン業績好調の要因を紐解いていきます。

集合住宅は納品数が多く、旨みのある領域

 アイホンは国内のインターホンにおけるトップ企業で、主力は住宅用のテレビ付製品です。一般住宅から集合住宅、学校、オフィスビルまで個人用、業務用を問わず販売しています。病院や介護施設などのナースコールも手掛けている会社です。

 コロナ前まで業績は堅調に推移していました。1度導入したら終わりというイメージの強いインターホンですが、古い住宅のリニューアル需要があります。特に集合住宅は納品数が多いだけに旨みのある領域です

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アイホン業績推移(単位:百万円)※決算短信より筆者作成、以下同じ

アイホン

集合住宅向けのインターホンは驚異的な伸び

 2021年3月期は新型コロナウイルス感染拡大による影響を大きく受けています。営業活動が制限されることにより、販売数が減少しました。また、ウイルス感染拡大を懸念して住宅などの着工件数が減少したことも影響しています。

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増収の要因※2022年3月期第2四半期決算説明資料より筆者作成

 そこからの大躍進となったのが2022年3月期でした。大幅増収の要因となったのは集合住宅向けのインターホンです。集合住宅は2021年3月期第2四半期と比較して、売上高を39億6000万円上積みしています。驚異的な伸びです。

 コロナ禍は人のライフスタイルそのものを変えました。その中でもとりわけ変化が大きかったのが食です。強力な外出制限によって外食需要が減退、UberEatsをはじめとしたフードデリバリーサービスが受け皿となりました。

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