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塚地武雅、芸人だからこその役者業での魅力「スベることで強くなれた」

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スベることで培った強さ「心が強くなれた」

梅切らぬバカ

――そして途中からは役者業も。高い評価を受けた映画『間宮兄弟』(2006)からは15年ほど経ちました。芸人でもある塚地さんだからこそ、持ち得ていると思うものはありますか?

塚地:役者さんと芸人の違いって、スベった量だと思うんです。ステージしかり、番組しかり。我々はウケを狙いにいく分、リスクとしてスベることもある。その経験がたくさんあるから、心が強くなれたうえで、ウケることに邁進できる。そこへの貪欲さ、そこの強さは強みかな。

――スベった経験が強くしてくれている。

塚地:トレーニングと一緒です。痛めつければつけるほど、筋肉が付くみたいな(笑)。あと、ウケるイコール思い切りというか、強く発言する表現方法だと思っている人が多いかもしれませんが、(力を)抜いてるときのほうが面白いこともある。そうした引き出しに関しては、役者さんよりあるかもしれません。

 あと、僕は有難いことに、バラエティ番組とかトークとか、いわゆる平場と言われる素のまま出るものだけじゃなくて、『はねるのトびら』『LIFE!〜人生に捧げるコント〜』と、コント番組をやらせてもらってきたのも大きい気がします。

芝居、バラエティ、そしてコント番組

――それが厚みになっている?

塚地:お芝居とバラエティだけやっていると、その2つの距離って結構あると思うんです。でもコント番組って、そのちょうど中間にある。3つともやらせていただいているのはすごく身になっていると思います。

――確かにお笑いでブレイクして、バラエティに出たり、もしくは役者業もするようになったりする方は多いですが、コント番組を平行してずっと続けられている人は少ないかもしれません。

塚地:諸先輩方を見ると、志村けんさんはずっとやってましたし、内村(光良)さんもいろんなコント番組をやられてますが、ほかにはあまり浮かびませんよね。そうしたなかでは珍しく、僕はコント番組にも携わらせてもらっていて、それが貴重な体験として、お芝居にも生きているかもしれません。

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