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伊藤沙莉が語る「めっちゃ好きだし、大っ嫌い」興味津々である“人間”という存在

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 子役の頃から高い演技力が評価され、ここ数年は人気も上がり続けている伊藤沙莉さん(27・@SaiRi_iTo)。現在、森山未來さんと初共演を果たしたNetflix映画『ボクたちはみんな大人になれなかった』が劇場公開&配信中です。

伊藤沙莉

伊藤沙莉さん

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 WEBでの連載配信時から大きな話題を呼び、2017年に刊行された作家・燃え殻さんの同名小説が原作の本作。森山さん演じる主人公・佐藤を通して、1995年から2020年までが綴られる物語で、伊藤さんは、46歳になった佐藤が今も忘れられずにいる初めての恋人・かおりを演じています。

「人を引っ張っていくタイプの人間じゃない」と明るく語る伊藤さんに、原作が“エモい”と話題になった本作について、そして伊藤さんが「大人」になったと感じた瞬間などを聞きました。

“エモい”以外でも語りたい

ボクたちは

(C) 2021 C&I entertainment

――原作者の燃え殻さんを投影した佐藤や、伊藤さんが演じたかおりとは、伊藤さん自身は世代が違いますが、物語全体への印象は?

伊藤沙莉(以下、伊藤):「大人になれなかった」と言っているけれど、大人の話だなと思いました。私たちの世代じゃまだつかみ切れない、分からない感情がたくさん入っている作品だなと。でもなぜか、それを懐かしくも感じたりして。面白い印象でしたね。

――主人公と同世代だけでなく、原作は若い世代に受けました。“エモくて”刺さると。そうした感覚は分かりますか?

伊藤:最近はこういうのをエモいというのかという感じでした(笑)。でも、いまだにエモいという言葉の本当の意味とか「エモいって何?」と聞くと、実際に説明できる人って少ないんですよ。ニュアンスなんですよね。そうなると、私としては“エモい”以外で語られる部分があるといいなと感じています。

ちゃんと“痛み”のある物語

伊藤沙莉

――“エモい”ではないとすると、伊藤さん自身はどう感じたのでしょう。

伊藤:うーん。難しいですけど。振り返ってみて、「あれはあれでありだったな」とか思うことのなかでも、多くは痛みがあるものですよね。そこをなんとか奮い立たせて進む人もいれば、自分でケアして抱きしめていく人もいる。どちらにしろ、人は痛みを受けたことがある。この作品に関しても、“エモい”じゃなくて、そこにフォーカスを当ててもいいのかなと。ちゃんと“痛み”のある物語だなと感じたので。

――伊藤さんは佐藤にとって忘れられない女性・かおりを演じました。かおりそのものというより、主人公から見たかおり像です。演じるにあたって難しかったですか?

伊藤:最初はそこの先入観で結構つまずいたんです。でも演じてみて、いい意味で意外とありふれた話だし、意外とありふれた女の子だってところに落ち着けた。だからこそ響くんだし。かおりは特別な女の子だったわけじゃなくて、佐藤にとって特別な女の子だっただけ。そう思えてからは演じやすかったです。楽しく過ごしたいだけの、普通の女の子だと思います。

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