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ワクチンパスポート導入に、なぜ賛否?米国では“接種拒否だとクビ”も現実に

ビジネス

デメリットとして指摘されていること

 ワクチンパスポートを取得するメリットは「ワクチンパスポートを持っている人は、感染したとしても重症化はしない」と言われている。その上、ワクチン接種者は、大勢が集まるスポーツ観戦場やコンサート会場などのイベント会場など、どこにでも行ける。コロナ禍の前のような自由な日常生活を送れるのだ。

 一方で、ワクチンパスポートのデメリットとして指摘されていることは、個人情報の漏洩やプライバシーの侵害、ワクチン接種機会の格差、差別や偏見の助長など。世界各国で認証されている「パスポート(旅券)」とは違い、各国独自でワクチンパスポートを発行しているため、世界共通の認証システムが整っていない。そのため、何らかの問題が発生するかもしれない。

 ワクチンを接種していない日本人は、今後、米国への入国ができなくなるというのも不便だ。特定のアレルギーの疾患や健康状態など、さまざまな理由によってワクチン接種ができない人への対応など、取り決めが今後は必要となってくるだろう。

仕事か、ワクチンか?

アメリカ

 現在、米国では、フロリダ州、テキサス州、アリゾナ州、アラバマ州などの15州で倫理的な問題や個人情報の観点から、ワクチンパスポートの使用を禁止している。

 フロリダ州の保健省は、今年10月12日、ワクチンパスポートの使用を禁止する州法に違反した同州レオン郡(ワクチン接種を拒否した同郡政府の職員14名を解雇した)に対して350万ドル(約4億円)の罰金を科した。フロリダ州のロン・デサンティス(Ron DeSantis)知事は、「ワクチン接種を拒否したために解雇されることはあってはならない」と話している。

 米国のジョー・バイデン政権ではワクチンパスポートに関して、「政府は国民に証明書の保有を義務付けるシステムを支持しない」としている。その一方で、バイデン大統領は「仕事か? ワクチンか?」と国民にワクチン接種を推進しており、100名以上の従業員が勤務する企業に対してはワクチン接種を要請している。

「ワクチンパスポート」論争は、政治的な争点にもなっている。共和党vs.民主党(ワクチンパスポート否定派 vs. ワクチンパスポート賛成派)の図式がはっきりしており、米国の分断は今後も続くことが予想されている。

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