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店舗数が大激減の「金の蔵」。コロナ前から苦戦する運営元の台所事情

ビジネス

 三光マーケティングフーズと聞くとあまりピンときませんが、「金の蔵」ならば、すぐ思い浮かぶことでしょう。金の蔵は財布に優しい居酒屋として若者の間で定着し、店舗数を拡大していきました。実は「東京チカラめし」も運営する企業でもあり、かつては店舗数が100店以上にのぼり、吉野家などの牛丼御三家に代わる新店舗として注目を浴びました。

金の蔵 渋谷東口店

金の蔵 渋谷東口店

 金の蔵・東京チカラめしを有する同社は2010年代に年間250億円以上を売り上げていましたが、最新2021/6期の売上高は僅か21.0億円しかありません。金の蔵は店舗数が減少し、東京チカラめしも見かけなくなりました。かつての栄光を失った原因はどこにあるのでしょうか。

東京チカラめし、金の蔵の特徴

 まずは東京チカラめしの特徴を見ていきましょう。他の牛丼御三家は煮込んだ牛肉を汁と共にかける一般的な牛丼を提供していますが、東京チカラめしは焼き牛丼を提供しています。店外まで漂う香ばしい匂いは焼いた肉ならではのものです。

 豚丼も提供しており、こちらも「焼き」をベースとしています。ただし、通常の牛丼のように煮込んだものを置いておくことができないほか、玉ねぎなどでかさ増しができないため高コストとなり、同チェーン店の牛丼並盛りは500円と牛丼御三家(吉野家、松屋、すき家)よりは高めの値段設定になっています。ちなみに2013/6期末時点では130店舗ありましたが、現在では3店舗しかありません。

 一方の金の蔵は、揚げ物から魚介類、ご飯ものやピザなど、他の居酒屋チェーンと同じようなメニューを提供。安さが売りで大学生でも入りやすい低価格帯で設定されています。参考までに300gの山盛りポテトフライは499円、焼き鳥は2本で299円です。

 ドリンクはサワーやカクテル類が399円、生ビール(中)も399円となっています。こちらも2013/6期末時点で98店舗ありましたが、現在は14店舗に留まっています。

人気チェーンを展開しつつも業績は悪化

居酒屋

画像はイメージです

 東京チカラめし、金の蔵とある程度の認知度を有する店舗を展開していたにもかかわらず、運営元である三光マーケティングフーズの業績はコロナ以前から悪化し続けています。決算資料によると2018/6から2021/6期までの4年間の業績は以下の通りです。しかしながら売上高のピークは2010年6月期の263億円であり、業績悪化は長年にわたり続いたことが分かります。

売上高:125億円⇒107億円⇒73.9億円⇒21.0億円
営業利益:-4.9億円⇒-10.0億円⇒-20.1億円⇒-17.5億円
当期純利益:-16.6億円⇒-15.7億円⇒-27.1億円⇒-18.2億円

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