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飛行機に乗れない…「マイル上級会員」から陥落する29歳会社員の嘆き

コラム

 搭乗した飛行機の距離などに応じてポイントが加算される航空会社のマイレージ会員。実は、これには一般会員のほか、優先搭乗やラウンジ利用といった各種特典を得られる上級会員が存在し、それも複数のグレードがあります。

飛行機通勤

画像はイメージです(以下同じ)

 そのため、上級会員になることを目指して飛行機に数多く搭乗する者もおり、これをマニア用語で「修業」と呼ぶとか。医療機器メーカーに勤める中村恵介さん(仮名・29歳)も航空会社の上級会員を維持するため、趣味として毎年修業に勤しんでいるひとり。

 ところが、コロナの感染が拡大した昨年春以降、まったく飛行機に乗ることができず、上級会員の維持が難しくなったといいます。

会社から県外移動を禁止され…

「2020年も1~2月に数回乗っただけで規定のポイントには足りなかったんですけど、特例として上級会員の期間が1年延長されたんです。2021年もポイントが倍増するキャンペーン期間があったり、例年よりも少ないポイントで上級会員になることが可能なんですけど、まったく乗れるが機会ないので……

 なぜなら中村さんは営業担当で医療機関に出入りすることが多いため、仕事以外での県外移動は原則禁止。それでも申請を出せば認められる場合もあるようですが、それができる雰囲気ではないそうです。

「勤務先と担当エリア、そして自宅があるのは関東ですが東京じゃないため、都内にすら行ってません。万が一、自分が感染してしまったら仕事的に面倒なことになりますし、立場的にもちょっとマズいので地元でも人の多い場所はずっと避けています。買い物とかもスーパーには行かず、ネットショッピングを利用しているほどです」

飛行機と旅行が好きなので出費も苦にならない

空港

 2019年までは海外を含み、年間十数回は飛行機に乗っていた中村さん。子供のころから飛行機マニアのうえ、旅行も好きだったので社会人になってからの新しい趣味として始めたのが上級会員になるための修行。航空券代や宿代などを含めると年間百万円以上と高額になりますが、普段は倹約生活だったので出費が苦になることはなかったようです。

「どうしてそこまでして上級会員を目指したいのかと聞かれると答えに困りますが、なんかステータスって感じじゃないですか。それに空港ラウンジの雰囲気とかも好きなんです。利用者はビールなどアルコール類飲み放題(※緊急事態宣言中は対象地域の空港内ラウンジでの酒類の提供は中止)だし、すごく贅沢な気分になれるんです。まあ、人からあまり理解されない自己満足の世界ですけどね(笑)

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