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LGBTに戸惑う企業…28歳ベンチャー社長が当事者として訴える“真の理解”

キャリア

 性の多様性を表す概念として“LGBT”(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)が注目されています。

 多種多様な価値観を受け入れる「ダイバーシティ推進」の一環として、LGBTを積極的に受け入れようとする一般企業が増えています。

外山社長

外山雄太さん。LGBT をテーマに事業を展開しているベンチャー企業「Letibee」の代表取締役

 今回は、自らもLGBT当事者であり、一般企業向けに「LGBTダイバーシティ研修」を提供する、株式会社Letibeeの代表取締役・外山雄太さん(28歳)に話を聞いてみました。

「そもそも対応の仕方がわからない」企業が多い

――Letibeeの「LGBTダイバーシティ研修」では、具体的にどのようなことをしているのでしょうか?

外山雄太(以下、外山):一般企業に向けた研修会を行っています。企業内でダイバーシティを推進するうえで必要不可欠なLGBTの基礎知識に加えて、当事者の声をベースにビジネスやチームワークに新たな視点を提供することを目標にした取り組みです。

――最近メディアを通じてLGBTという言葉を目にする機会が増えました。こうした背景にはどのような要因があるのでしょうか。

外山:インターネットが普及し、個人での情報収集が容易になったことで、LGBTの存在が可視化されやすくなったことが要因のひとつだと思います。自分と似た境遇のひと同士が繋がりやすくなり、地域を越えてLGBTコミュニティが形作られますよね。

 日本の家庭や企業には昔からの“村社会的”な体質があり、それぞれに善悪を判断する独自の基準がありますよね。それに対していくつかLGBTコミュニティが、連携して声をあげられるようになってきたように感じます。

――研修会やワークショップを希望する企業からはどんな声が?

外山:LGBT当事者に対して「そもそも対応の仕方がわからない」という漠然とした相談が多いです。今まで、当事者たちがLGBTをカミングアウトしなくても生活や業務に支障がなかったんですよね。

 LGBTは見た目だけで判別できるものではありません。だから「身近にはいないものだ」という認識が一般的でした。

 実は「日本人の13人に1人はLGBT当事者」だという調査(2015年・電通総研ダイバーシティ・ラボ)があります。つまり、大企業ともなれば従業員のなかに当事者が絶対にいるわけです。

 僕も初対面の方から「はじめてLGBTの人に会いました」と言われるんですけど、当事者側としては「絶対に会ってたはずでしょ!」って返したくなります(笑)。

自分の中の「無意識の偏見」を疑うことが大切

letibee

Letibee公式サイトより

――LGBTを理解するうえで一番重要なことはどんなことですか?

外山:LGBTは女性の社会進出も含めた、ジェンダー全般の問題にも関わってきます。単純にLGBTを受け入れることで解決するわけではないんです。

 世の中は男女の性別(身体の性)だけでなく、いろいろな性自認(心の性)、性的指向(好きになる性)があり、それぞれに価値観や考え方があります。性の多様性を認めたうえで、いかに一個人と向き合うかということが重要だと思います。

――LGBTの当事者と関わるうえで望ましい姿勢というのは?

外山:社会生活を送っていると、どんなに自分がフラットな考え方をしていると思っていても、“無意識の偏見”が働きます。「男はこうあるべき」「女だから」という幼少期から植えつけられてきた男女の在り方(ジェンダー観)です。何気ない発言が、ときに誰かを傷つけているかもしれないという想像力を持って接することが大切です。

 僕の経験だと、ある女性から「ゲイの友人がほしかったので友達になってほしい」と言われました。理由を聞けば、「ゲイの人は話が面白くて、ファッショナブルで女心がわかる、あとは襲われることがないから」ということです。まあ、襲うことはないですけど(笑)。

 ゲイの人は面白い、楽しいだとか、テレビのバラエティ番組など、メディアが作り上げたイメージにすぎません。すべてのゲイの方に当てはまるものではないのです。彼らに対する一般的なイメージがたとえネガティブなものでなくても、それは誤解である可能性が高いことを理解して欲しいですね。