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LGBTに戸惑う企業…28歳ベンチャー社長が当事者として訴える“真の理解”

学び

社会から押し付けられる価値観に従わなくてもいい

man with a rainbow flag

――LGBTであることのカミングアウトに関してはどのようにお考えですか?

外山:カミングアウトする人が増えることで、LGBTが漠然とした集団ではなく、それぞれ異なる考えをもった、いち個人として考えられるようになります。理想は「LGBT」と聞いたときに友人の顔が思い浮かぶようになることじゃないかなと思います。

 僕自身はカミングアウトによってプライベートな話もしやすくなり、世間に嘘をつくことで生じる疲弊感がなくなりました。

 でも、カミングアウトするかしないかは本人の自由。社会の側に「身近にLGBTがいる」という認識を持ってもらうことが大切です。

――今の20代の若者(セクシャリティの分け隔てなく)へ伝えていきたいことは?

外山:誰にでもマイノリティな部分ってあると思います。そこから生きづらさを感じて、自分をある種の被害者であるように捉えてしまうこともあるかもしれません。

 でもその一方で、「自分自身に根づく“無意識の偏見”によって誰かを傷つけ、加害者になってしまうかもしれない」という可能性、そして一般的なジェンダー観や常識を疑う視点を持ってほしいです。

 あとはLGBT当事者の意見にはなりますが、必ずしも社会の側から押し付けられる価値観に従わなくてもいいのではないでしょうか。セクシャリティを問わずこういう考え方が根本にあれば、社会が求める「あるべき姿」に自分が合致してなくても意気消沈することもありません。

 ありのままの自分を認めて自分を応援する気持ちを持ち続けてほしいですね。

外山雄太
2014年慶應義塾大学卒業。高校時代の失恋やカミングアウトを原体験として、在学中にLetibeeを創業。「好きな人を当たり前に大切にできる」社会を目指して活動している。在学時代から始めたイラストレーターやグラフィックデザインのスキルを活かし、研修やワークショップだけでなくアートプロジェクト“harMony”を展開している

元エロ本編集者。高校卒業後、クリエイティブな分野に憧れて美術大学を目指すも、センスと根気のなさゆえに挫折。大学卒業後、就職した風俗雑誌の編集部でキャリアをスタートさせる。イベントレポートとインタビューが得意(似顔絵イラスト/koya)

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