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コロナ禍で消滅→再出発した「有名ブランド」5選。セシルマクビー、地球の歩き方etc.

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5:浅草の人気物産館「まるごとにっぽん」

 2015年12月に開業した観光商業施設「まるごとにっぽん」。同店は「毎日が物産展」のような店舗で、阪急阪神東宝グループに所属する「東京楽天地」(本社:墨田区錦糸町)の子会社「まるごとにっぽん」が運営。

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かつて全館が「まるごとにっぽん」だったころ。6月より「ユニクロ」が核店舗となった一方、「まるごとにっぽん」も大幅に規模を縮小して復活。3階にはスシローなどが出店予定

 全国各地の人気店舗や自治体のPR施設が出店しており「浅草六区の新たな名物」「日本唯一の業態」として当初は数多くのメディアにも取り上げられていたが、2020年11月に閉店。東京楽天地浅草ビルはリッチモンドホテルとパチンコ店、一部飲食店などを除き空き店舗となっていたが、2021年6月4日に跡地の大部分にユニクロの旗艦店「ユニクロ浅草」が出店することとなった

 一方、建物の再生とともに同日「まるごとにっぽん」も7か月ぶりに復活を遂げた。6月4日に営業を開始した新たな「まるごとにっぽん」の店舗は、もともとまるごとにっぽんが出店していた東京楽天地浅草ビル1階の一角で、運営者も以前と同じ。

 ユニクロの端にひっそりと再生を果たした同店の面積はかつての1割にも満たない約270平米(郊外型コンビニ1店舗ぶんほど)と非常に狭いものの、全国各地の酒や銘菓、工芸品などが所狭しと並ぶ。店内では銘酒の角打ち(立ち飲み)も体験できるほか、今後は日替わりで催事もおこなわれる予定となっており、コロナ禍後の本格的な始動に期待がかかる。

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 今回はコロナ禍のなか「復活」を果たしたいくつかのブランドや店舗を紹介したが、それらはいずれも「老舗」「高い地名度」や「唯一無二の業態」であることを特徴としており、復活を望む消費者やブランドを引き継ぎたい企業が現れるのは当然であるといえよう。一方で、冒頭で紹介したとおり高い知名度を誇りながらもこの1年半で姿を消してしまったものも少なくない。

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進むなか、商業施設や飲食店の営業状況も次第に通常どおりに戻りつつある。「復活」を果たせたブランドはまだ数少ないものの、近い将来には、ここに挙げた以外にも懐かしのブランドや店舗が「新たな道」を歩み始めているかも知れない。

<取材・文・撮影/都市商業研究所 若杉優貴>

若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitter:@toshouken

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