東大・京大生の頭の使い方とは?誰でもできる「記憶法」の極意
どのように「分解する」「イメージする」
【分解する】
例えば、英単語を覚えるときに、単語の意味だけでなく、発音や品詞など関連する情報も一気に覚えようとしていませんか? もちろん、それらも最終的には覚える必要があるのですが、記憶する時には同時に覚えるのは非効率なのです。
まずは、一番重要な項目、または、一番覚えやすい項目だけを覚えましょう。英単語の場合は、スペル→意味をおすすめします。なぜなら、私たちは、街中の案内や広告、手に取る雑誌やリーフレットなど、日常的に英単語を見て「どういう意味だろう?」と考える機会と、日本語を英語に直す機会だと、圧倒的に英単語を見て日本語の意味を思い出す機会の方が多いです。すなわち、「反復するチャンス」が多いので、記憶させやすくなります。
いったん、英単語→意味を覚えると、それがパソコンのフォルダーのようになって、関連する品詞や発音などその他の情報を覚えやすくなります。これは、人間は10歳を超えると記憶の方式がassociation:関連付けの記憶になることが大きく影響しています。
【イメージする】
あなたは、修学旅行はどこに行きましたか?「京都!」や「東京!」など、それぞれに思い出されるでしょう。その思い出したときに、頭の中に京都や東京という“活字”が浮かんだ人はいないと思います。思い出の風景が浮かんだのではないでしょうか? 加えて、その時に食べたものや聞こえたものなど、視覚を中心とした五感が浮かんできたはずです。すなわち、長期的な記憶は、五感情報と関連づいているのです。
ですから、「apple、リンゴ。apple、リンゴ……」と淡々と繰り返すのではなく、リンゴを思い出しながらappleとつぶやく。「angry、怒っている」と繰り返すときには、何か腹立たしいことを思い出しながらつぶやくと、記憶に定着しやすくなるのです。
脳の活性化を促す記憶術とは?
前述した「反復する」「分解する」「イメージする」を効果的に組み込んだ記憶術をお教えしましょう。日本史の年号暗記で、平安京遷都はどうやって覚えましたか?「鳴くよウグイス平安京」と、ゴロ合わせで覚えた人が多いのではないでしょうか?
先ほど、10歳を超えた大人の記憶は関連付けの記憶とお話ししました。794を「鳴くよ」とゴロで変換し、さらに「平安京遷都」を関連づけるために「ウグイス」を付加することで、記憶しやくす加工しているのです。
このゴロを作る際、上述したようにイメージ=視覚情報が浮かびやすいゴロにすると、記憶は桁違いに定着します。それが、「絵コンテ記憶法」です。その例を、拙著『イラスト記憶法で脳に刷り込む英単語1880』からいくつかご紹介しましょう。